北海道で夏も冬も相棒に乗り続ける1台主義!特別仕様車のランエボVI TME
真紅の三菱・ランサーエボリューション(CP9A型)で取材会にお越しいただいた神田和さん(28才)。彼の乗るランエボは世界ラリー選手権(WRC)で数々のタイトルを獲得した名ドライバーの名前を冠して2000年に発売された特別仕様車『ランサーエボリューションVI トミー・マキネンエディション』。フロントバンパーやボディカラーなどのエクステリアはもちろん、タービンやマフラー、サスペンションにバケットシートなど、さまざまな専用アイテムが装着されていて『ランエボ6.5』などとも表現されるモデルだ。
唯一無二
「もともとトレノとかジェッタに乗っていた父の影響でクルマに興味を持ち出して、自分でクルマに触るような仕事に就きたいと思うようになり、高校を卒業して整備専門学校へ進学しました」
そのころはスカイラインGT-Rやフェラーリといったクルマが好みだったと話す神田さんが、ランエボに興味を持ち出したのは19才のころだったという。
「ランエボを買った友人がいて、それに乗せてもらう機会があったんです。そしたら『なんだ、この速いクルマは!?』と衝撃を受けて、一気にランエボに興味を持ってそこからラリーも見るようになりましたね」
「どのステージに行っても条件を問わずに速いというところに惹かれました。その中でもほかのランエボより攻撃的な見た目が好きだったし、赤い限定ボディカラーも特別感があり、当時は中古価格も今ほど値上がりしていなかったので、迷わずこのモデルを購入することを決めました」
過酷な雪の環境となる北海道においては、冬シーズンに愛車へのダメージを軽減する目的や、雪道での運転を考慮してセカンドカーを所有するオーナーも少なくないが、神田さんが所有する愛車はこちらのランエボだけ。普段乗りから通勤まで、すべての用途をこの1台でこなしているという。
「どんな状態でもアクセルを踏んだら速くて、乗っていてストレスを感じることがないので、他のクルマに乗り換えたい気持ちにならないんですよね。2013年から乗ってきて、これからも大事に乗っていきたいクルマなので、2台持ちを検討した時期もあったんですが、2台目にかけることになるお金をこのランエボのためにとっておいて、年間ずっと1台に乗り続けるほうがいいという結論になりました」
愛車のコンディションを保つための貯金も欠かさずおこなっていて、2年前にはその貯金でボディのオールペンも実施したという。
「そのときはちょっと予算をケチったメニューを組んだこともあって、細かい部分が満足できるほどの仕上がりにはならなかったのが残念でした。そろそろ下まわりもサビのダメージがきているので、来年の春に向けてボディの補修まで含めたオールペンをしたいと思って、またそれに向けてお金を貯めている最中です」と神田さん。
また、1年ほど前にはタービンの修理も行ったそうで「乗っていて『なんだか遅いな』と思って調べたらタービンの不調が見つかったんです」とのこと。その際にも社外タービンに交換するなどのアップデートは選択せず、トミー・マキネンエディションに採用されているハイレスポンスなチタンアルミ合金製ターボのピックアップのよさをそのまま活かすため、純正タービンでの修理を依頼したという。
「道内のミーティングにもよく行くんですが、やはりカスタムしているクルマのほうが多くて、自分みたいにノーマル派のオーナーは少ないのでちょっと肩身が狭い思いですね(笑)」。
そう話す神田さんだが、この特別仕様車のカラーやスタイリングがお気に入りだというから、これからも大切な相棒のコンディションを維持しながら、堅実な愛車ライフを継続していく姿が期待できそうだ。
取材協力:GR Garage札幌厚別通
(文:長谷川実路/撮影:平野 陽)
[GAZOO編集部]
GAZOO取材会@GR Garage札幌厚別通
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