あこがれ続けた愛車に乗り続けて28年。今も変わらぬ「ソアラ愛」

小学生の頃に憧れた車への愛を、今も持ち続けているだいすけさん。中学生のころにデビューした「NEW、SOARER」に運命を感じたそうです。雑誌やカタログを眺めているうちに 「どうしても手に入れたいと!」との思いが募り、苦労して入手、乗り続けて28年が経ちました。人生をクルマに捧げてきた愛のあるお話です。

――現在のソアラを購入されたのはいつごろですか?

私が乗っているソアラは1995年式で、18歳のときに新車で購入して28年が過ぎました。小学生のころからクルマが好きで、友達が漫画本を読んでいるのに、私はクルマ雑誌ばかり読んでいました。当時、書店でクルマ雑誌を購入した私に「お父さんから頼まれたの?」と勘違いされたこともありました。

ある雑誌でトヨタ2000GTの開発ヒストリーが掲載されており、夢中で読んだ思い出があります。グランツーリスモ(略してGT)とは「旅をするクルマだ!」と印象に残ったのを今も覚えています。

クルマ全般が好きでしたが、その時から GTというジャンルのクルマに、特に目がいくようになりました。2000GTは私が物心ついたときには幻の名車となってましたが、社会人数年目にトヨタ2000GTを目にしたく四国自動車博物館に足を運び、初めて現車を目にしたこともありました。

――ソアラを購入された理由と、購入当時の思い出を教えてください

1991年5月、ニューモデルとして三代目ソアラはデビューしました。当時私は中学生で、レビCMの「こころ走らせるもの」というキャッチフレーズがとても印象に残っています。

3年後の94年1月にマイナーチェンジし、エンジン構成も2JZ-GEが追加され選択肢が増えました。JZ型エンジンはトヨタ2000GTに積まれたM型エンジンの後継モデルで、「子どもの頃に憧れた2000GTの後継モデルが載っている!」と購入したい気持ちが高ぶりました。

18歳の私にとってとても高い買い物ではありましたが、欲しいと想う気持ちは冷めず平日は普通に会社勤めをし、土日に車関係のアルバイトを頑張りました。

四輪トータルアライメント調整を自分の手でやりたかったため、その設備のあるタイヤ屋さんでアルバイトして足回りを組んだり、タイヤの組み換えをしたりと車の勉強を続けました。その頃は年中無休でしたが、とても充実した日々でした。

――購入して28年も経過していると、いろいろこだわりがありそうですね

ソアラを購入後、もっともこだわったのが足回りです。購入後数年目にドイツのビルシュイン製アブソーバー、スウェーデンのオーリンズ製を仕入れてみました。ビルシュタイン製の方は私の好みであり、何度もオーバーホールやセッティング変更を繰り返し現在も愛用中です。オーリンズの方は予備的な感じで保管しています。

足回りの次に手をかけたのはブレーキです。当時、私のソアラは純正15インチホイールでその中に収まる小さなブレーキシステムでしたが、重量もあり、お世辞にも満足いくブレーキシステムとは言えませんでした。

時代の流れで大径ホイール&偏平タイヤが主流となり、各メーカーのブレーキも大型化してきた中で、私が選んだのはJZA80スープラのブレーキシステム。なるべく純正のスタイルを崩したくないという思いもあり、こちらを選びました。

装着時にこだわったのはバックプレートもスープラ用に変えることです。そのままだとローターとプレートが干渉してしまい、切り刻むのが嫌で違和感なく取り付けたいとこだわった点です。

――車内にも、いろいろと装着しているようですね

はい、購入当時に欲しかったのがスーパーライブサウンドシステムです。オーディオ好きの友達の影響もあり「ドライブのお供に心地よいBGM」をとオプションで装着しました。

購入時からオリジナルにこだわっており、車内も綺麗な状態を保ってきました。万が一、デッキが壊れた時のため新品未使用のデッキも保管しています。

――28年経過して、走行距離はどれぐらいになりますか?

ソアラを購入後、ドライブが楽しくて、3年で9万7千キロほど走りました。最初の車検でタイミングベルトを交換しました。

通勤に使わないのにこれだけ走ったのも、ソアラとのドライブが楽しかったからです。現在の走行距離は21万キロです。20万キロになった際、記念の写真も撮りました。

通勤の際はセカンドカーを使っています。最初にジェミニ(いすゞ)を買い、ギャランVR-4(三菱)、ヴィヴィオRX-R(スバル)、CR-X SiR(ホンダ)、アルファード(トヨタ)などに乗ってきました。
セカンドカーを所持しているのも、ソアラの走行距離を抑えるためです。

――28年も乗っているのに、愛車はとても綺麗に見えます

ソアラを買ってから変わらないのが「綺麗に乗りたい」という思いです。
たとえばボディスタイリング。ソアラは「ボンネット・フロントフェンダー・ドア」の3枚のパネルが1点でまとめられています。

上記の3点を一面にするには加工や設計などすべてにおいて手間がかかります。そうした手間を惜しまずに演出しているスタイリングもソアラの魅力であり、乗り続けている方の共通の思いだと感じます。

車内のコンディションをいつまでも綺麗に保ちたいという思いから、運転の際は土足厳禁で乗っております。購入時にオプションで購入した「緞通調フロアマット」は1番上のランクでもあり大変気に入っています。

またステアリングやシフトノブなど「常に触る箇所」は、長年乗っていると どうしても傷んできます。数年前に本革を巻き直してリペアしました。なるべく綺麗な状態で維持していきたいと思っています。

――ソアラのパーツは今も売っているのでしょうか? 売っていないパーツはどのように入手されていますか

ソアラに乗り続けたいため、クルマに関しての勉強や修理を続けてきましたが 最近は 純正パーツが廃盤になり不安になっています。

「ベストコンディションで乗り続けたい=純正パーツの流用情報収集、ヘリテージパーツ等の情報収集が必要」との思いから、SNSにソアラを掲載しました。赤いソアラさんとのツーショットはSNSで知り合った方です。

この方も新車から乗られており、しかも同じ年式。運命を感じて交流したくなり、お会いしました。オープンカーのソアラは40ソアラで、若いころ、同じ30ソアラに乗っており交流をしておりました。しばらく趣味の車は降りていらっしゃいましたが、最近40ソアラを購入したとのことで、一緒に旧車のイベントに行くなどのお付き合いをしています。

ちなみにカーナビは装着しておらず 今でも紙の地図を片手に走っています。昔から「あてのない旅、目的のない旅」=のんびりした車の移動を楽しむスタイルなんです。

ナビがついてなく迷子になったこともありますが、その先には「想像を超える景色」や「ご飯が美味しい食堂」、はたまた「おもしろいおばちゃん」などとの出会いなどもありました。「あてのない旅もおもしろい」と感じています。

――だいすけさんにとってソアラはどんな存在ですか?

ソアラに乗り続けて28年が過ぎましたが、今も休日のドライブが楽しみで仕方なく、メンテナンスも自分でできる分はやっています。

私にはなんの取り柄もありません。自己紹介と言われてもアピールするポイントが見つかりません。そんな私ですが 愛車ソアラに対する想いは誰にも負けないと思っています。

大切に乗ってきたソアラを、これからもずっと大切に乗りたいと感じてなりません。二十数年後に定年退職を迎えたとき、このソアラで日本一周の旅をやりたいと思っています。 

最後に、こんな素晴らしいクルマを作ってくれた開発グループの皆様に、この場を借りて「ありがとうございます」とお礼を言いたいです。

ソアラに憧れを感じて乗り続けること28年、様々な勉強をしてこられただいすけさん。一途なクルマ愛を、これほど感じるオーナーさんは希少です。一生乗り続けて欲しい。そう願っています。

【Instagram】
soarer2017さん

(文・小川隆行)

MORIZO on the Road