日本でもサービスを展開している中国のMobikeを使ってみた

 Mobikeはofoと並び中国のシェアサイクル大手の企業で、2015年に設立されたベンチャー企業だが、中国で瞬く間に成長し、アジア各国に進出するほどとなっている。日本でも札幌市、福岡市、神奈川県大磯町などでシェアサイクルの事業を行なっている。

 シンガポールでもシェアサイクル事業を行なっており、Mobikeのアプリを利用しての借り出し、返却などが可能になっている。

Mobikeアプリを利用して、電話番号を利用して登録可能、日本と同じアカウントを利用可能

完全に日本語対応したMobikeのアプリ、IDは携帯電話番号になる
完全に日本語対応したMobikeのアプリ、IDは携帯電話番号になる

 Mobikeを利用するにはスマートフォンにMobikeのアプリを導入しておく必要がある。

▼iPhone版はiTunes Store
[https://itunes.apple.com/jp/app/mobike-モバイク-スマート-バイクシェアリング/id1044535426?mt=8
▼Android版はGoogle Play Store
[https://play.google.com/store/apps/details?id=com.mobike.mobikeapp&hl=ja]

から導入することができる。

利用規約や使い方の画面もすべて日本語化されている

 MobikeではIDに携帯電話の番号を利用する。日本の電話番号でも登録が可能だが、SMS(ショートメッセージサービス、電話番号同士でやりとりできるメッセージサービス)を利用した認証が必須になっている。Mobikeでは日本でもサービスを行っているので、渡航前に登録だけは済ませて置くのが無難だろう。シンガポールで登録するのであれば、海外でもSMSが使えるように「海外ローミング・サービス」への加入が必要になる。あるいは現地でプリペイドSIMと呼ばれる売り切りのSIMカードを購入するなどしたい。

地図上にどこに自転車があるかが表示されている
地図上にどこに自転車があるかが表示されている

 Mobikeの支払いは「Myウォレット」と呼ばれる機能を利用して行なう。定額プランか、使った分だけ払うプランが用意されている。使った分だけ払うプランを利用する場合には、まずある程度の料金をMyウォレットにチャージしておく必要がある。チャージは日本円でチャージすることも可能で、いずれの通貨でチャージしても、他の地域に行ったときでもMobikeがサービスしているエリアであれば、現地通貨に転換されて使うことができる。今回筆者はシンガポールドルでチャージして使ったが、日本に帰ってきてMobikeのアプリを起動すると残高は円に変換された表示されていた。

 Mobikeの料金は20分/0.99SGD(取材時では日本円で81円)になっており、30日間で最大120分使えるMobikeプランが7.99SGD(1SGD=約81円換算で、約647円)が用意されていた。

日本円でチャージすることもできる。また、チャージした分を払い戻しも可能である旨もきちんと日本語で表示される

QRコードでロックを解除、返却時にはロックをするだけとシンプルな使い勝手のMobile

 Mobikeの利用方法も他のシェアサイクルなどと同じで、導入したMobikeのアプリからQRコードのリーダーを呼び出し、自転車に貼られているQRコードを読み取るだけだ。そうすると、ロックが解錠され、自転車が使える状態になる。その裏でユーザーのスマートフォンとMobikeのコンピュータ間で通信が行なわれ課金処理などが行なわれる。使い終わって返却したい場合には、安全な場所に停めて施錠すれば、やはりMobileのセンターと自転車が通信を行ない、自転車が施錠され返却されたことを認識し、返却されたことをユーザーのスマートフォンに通知する。

アプリからQRコードを読み取る。QRコードは車体のあちこちに用意されている

 なお、Mobikeでも他のシェアサイクルと同じように、ユーザーの信用度に応じて料金を変動させる機能が用意されている。Mobikeの場合には「マイクレジット」というのがそれで、そのスコアが下がると料金が跳ね上がるなどのペナルティが科せられる。スコアがさがる要因としては交通ルールを無視したり、自転車を破壊したりする行為、私有地など駐輪できない場所への駐輪などが上げられており、長期間利用しようというのであれば、ルールを守ったサイクリングを心がけたいところだ。

マリーナ・サンズ・ベイを眺めながらのサイクリングはなかなか快適。大柄なスタッフが乗ってもまったく問題なかった
マリーナ・サンズ・ベイを眺めながらのサイクリングはなかなか快適。大柄なスタッフが乗ってもまったく問題なかった

日本でもサービスが行われ、アプリも完全に日本語化されていて安心

 今回取材したなかでは、街中でもっとも見かけることが多かったのがMobikeだった。自転車はQRコードを読み込むだけで解錠できるし、車両によって異なるが、パンクレスタイヤの採用や、中にはチェーン駆動ではなくドライブシャフト駆動の自転車もあった。チェーンが外れた状態で放置されている自転車もあったので、こういった部分で考えられていると感じた。

断面方向に穴が開けられたタイヤ。チューブも空気も入っていないのでパンクの心配がない
断面方向に穴が開けられたタイヤ。チューブも空気も入っていないのでパンクの心配がない
こちらはドライブシャフト駆動を採用したモデル。これならチェーンの脱落やサビを気にする必要がない
こちらはドライブシャフト駆動を採用したモデル。これならチェーンの脱落やサビを気にする必要がない

 また、駐輪スペースについてもMobike優先の駐輪スペースを設けたり、駐輪禁止区域に置いた場合のペナルティを設けたりなど、アプリでもそういったことを注意喚起していて、ofoよりも一歩先を進んでいる印象だ。

アプリの使い方の説明でも、駐輪スペースや駐輪禁止区域の説明がなされる

街中で見つけた駐輪スペースの様子
街中で見つけた駐輪スペースの様子

 初乗りも20分で0.99SGDとofoより安く設定されているし、なによりも日本でも展開しているサービスということで、完全日本語化されたアプリの使い勝手も含めて圧倒的に安心感を感じた。エリアを問わずにMobikeの自転車は見かけることが多かったので、日本からシンガポールを訪れてシェアサイクルを検討しているなら、まずはMobikeに登録しておけば間違いないだろう。

[ガズー編集部]

あわせて読みたい「シンガポールのMaaS事情」関連記事