アウトドア人気で注目される釣り! 地元の釣り場と仕掛けは地元の釣具店で聞けば間違いなし
キャンプやグランピングといったアウトドア人気の高まりを受けて、いま釣りにも注目が集まっています。特に、これまで少なかった女子が始めるケースが増えてきているとのこと。
女子キャンパーとして活躍する森風美さんは、たまにキャンプのなかに釣りも取り入れて楽しんでいますが、細かい部分は自己流だそうです。今回は初心に戻り、さらに釣りライフを充実させるため、初心者でも簡単に釣りを楽しめるコツや用品を教わりにいきます。
今回訪問した、千葉県南房総市富浦町にある「マリンスポット釣吉」は、高速道路からアクセスもよく、房総半島南端周辺の釣り情報をしっかり持っている、釣り人に人気の釣具店です。こちらのお店、都心から首都高や東京湾アクアライン経由で富津館山道を目指し、終点の富浦ICで降りるとすぐに左手に黄色い建物が見えてくるのですぐに分かります。しかも、なんと! 24時間年中無休の営業なんです。
館山周辺の南房総では、美味しい魚が釣れるようですが、初心者にはどんな釣り方がいいのか、場所はどの辺がオススメなのか雲をつかむ状況ですよね。ネットで検索してみても、いまいち具体的に分かりにくいですし。
今回こちらのショップの店長に、釣り初心者向けの道具や狙いやすい獲物などについて、しっかり教えてもらいましょう。
誰でも簡単に始められるのは「サビキ釣り」
最初の釣果までに知っておきたいこと
- 用品の最低予算: 釣り竿セット(約3000円)、しかけとエサ(約1000円)
- 最低限必要な用品: 釣り竿とリールのセット、サビキ釣りのしかけ、サビキ釣り用エサ
- 時期: いつでもOK、ベストシーズンは春や秋
- 地域: 全国の海や川、湖などどこでも。釣りが可能な場所かどうかは事前調査が必要
- 釣り場の選び方: 公共の海釣り場を日本釣振興会の「海釣り施設一覧」などを参考に探す
釣り初心者は何を揃えて、どうすればよいのか、店長の横溝元次郎さんから教えてもらいます。釣りは狙う魚や釣り場によってさまざまなスタイルがあるので、ハマれば奥は無限。どういうところから始めればよいのでしょうか?
「いつも適当にキャンプ場近くの釣り場に行って、自己流で釣っているだけなので、どういった釣りがいいのか分かっていないんですよね」と不安げな森さん。
「まずは誰でも簡単に堤防や公共の釣り場などに行って楽しめる、サビキ釣りという手法がお勧めです。アジやイワシ、冬の時期ならカマスなんかが釣れるオールマイティなやり方です。仕掛けには小さなオキアミの疑似餌が付いた針が複数付いていて、撒き餌を入れるコマセカゴが上か下に付いています。名前の由来は諸説あるんですが、竿を横に動かす動作をするのを“さびく”というので呼ばれているようです」と横溝店長。
それでは「サビキ」釣りで行きましょう。もちろん釣り竿がないとダメですよね。
「ホントの初心者向けに、リールとセットになったセットを扱ってます。まずはこれからやってみて、おもしろくなってきたら、気に入った竿を揃えていくとよいですよ。竿は伸び縮みする振り出し竿で初めて、大物を狙うようになったら並継ぎ竿にしてもよいかもしれません。仕掛けはサビキ用のものを使います。コマセ(撒き餌)はカゴが針の上に付いているものと、下に付いているものがあります。エサもチューブタイプでカゴに注入するだけなので、初心者でも簡単です」(横溝店長)
時計を見るともう14時近く。「これから行っても釣れますか?」と森さん。
「大丈夫です。夕方にちょうどよい頃と思います。店では、魚が活性する時刻を時合(じあい)表として販売(500円)しているんですが、館山市付近の汐の満ち引きから釣れやすい時刻をマーカーで表示しています。こういったものを参考にすると、釣れる時間が分かります。今からなら14時~16時がよいですよ」(横溝店長)
場所による汐の満ち引きは、アプリなどでも調べても分かるんですが、表示されるグラフだけでは初心者はなかなか判断しにくいはずです。最初のうちは、地場の釣り具店などで聞いて直接の情報を得ると失敗が少ないと思います。
横溝店長は釣った魚のニオイ対策についても教えてくれました。「釣れた魚は、なるべくはやく締めて氷漬けにしてしまうのが、美味しくいただく鉄則です。こうすればニオイはありません。釣りはどうしてもニオイが気になるかもしれませんが、終わったらしっかり洗う、対策グッズを使うなどすれば大丈夫」
お勧めしていただいた商品を購入。さっそく港へ。
初心者向けセットにチューブタイプの撒き餌で、あとは海に投げ込むだけ
せっかくなので、森さんに近くの港で「サビキ」釣りを楽しんでもらうことにしました。お勧めしてもらったギアを手に、近場の港へ。さっそくサビキ釣りを実践してみました。
教わったとおりに、サビキ仕掛けのカゴにエサを注入して、ほぼ足元に投げ入れます。 ウキは付けずに、ゆっくり引っ張って小魚のアタリを楽しみます。
撒き餌をなので、初心者には難しい針にエサを付ける作業がなく、チューブからカゴの入れるだけなので、気軽にできる釣り方だと感じました。狙う魚によって、しかけの針の大きさを変えるのだそうです。
森さんは「今まで、釣りをやったときに釣れなかったことってなかったんですよ」と、こちらの心配をよそに超強気な発言! 最初は釣れなかったらどうしよう、なんて思ってたのですが、そのうちに小さな魚がかかりだしました。
「やっぱり、小さい魚でも釣れると楽しいですよね!」
やはり釣れはじめると楽しくなってくるようで、なんだかんだと暗くなるまで釣り竿を垂れていました。結局釣れたのは、メゴチ、カマス、クサフグにトウゴロウイワシ。夕方の1時間ほどなので、十分な釣果じゃないでしょうか。森さんの絶対釣れるジンクスは、更新できたようですね。 フグ以外は持ち帰って、夕食で焼き魚にしていただきましたが、新鮮なためかとても美味しかったです。
「自分がキャンプで釣りをするときの楽しみはもっぱら“釣って食べる”ことです。食料調達目的なので、釣った魚で調理することもありますよ。小さい頃から釣りはたまにやっていたので、『魚に触れない』なんてこともないです。自然を楽しむことが好きなんです。テレビ番組で見た無人島自給自足生活みたいなノリに憧れてて、それを実際にやってみているんです」
釣りをうまくキャンプの食として取り入れつつ、自分なりに楽しんでいることがうかがえます。こういうマイペースな楽しみ方なら、始められそうな気がしてきますよね。
楽しかったので日暮れまで遊びました!
今回のサビキ釣り、冬でも釣れましたが、ベストシーズンは春や秋。釣りスポットは、日本釣振興会の「海釣り施設一覧」などを参考に、公共の海釣り場に向かうとよいでしょう。最近は混雑のため、予約制になっている場所もありますので、各釣り場のルールはよくチェックしてください。
サビキ仕掛けも、針のサイズや疑似餌の色やサイズ違いなど種類が豊富にあるようで、いろいろ試してみるのも楽しいでしょう。ちょっとハマる人がいるのも納得です。
「マリンスポット釣吉」は24時間営業していますが、もっとも忙しいのは早朝~明け方頃とのこと。初めて訪問して、少し釣り方やギアの相談もしたいときには、この時間帯は避けた方が無難でしょう。今回取材対応していただいたのは、昼過ぎの午後の時間帯。このあたりなら、お客さんも少なめなので問題ないとのことでした。
横溝店長は、慣れてきたらサビキ釣りをやる横で、同時にもう1本を使って大物を狙うといいよと教えてくれました。
休日ドライブの合間に、短時間でも釣りを楽しんでみるのは、気分転換にとてもいい感じです。うまく釣れれば、夕食の食材にもなりますし、店長のいうように大物を並行して狙えば、食べきれないような大きな魚がヒットするかもしれませんよ。
「マリンスポット釣吉」店長・横溝元次郎さん
南房総近辺の釣り近況を含め、なんでも気軽に聞いてください。ベストな方法をしっかりお教えします!
千葉県南房総市富浦町福沢869-1
電話:0470-33-2880(24時間年中無休)
http://marinspot.com/
(文:村上俊一 写真:堤 晋一)
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