「クセのあるクルマを自分なりに攻略するのが好き」という女性オーナーが、1年所有した愛車トヨタ・MR2(AW11)の印象は?
1984年から1989年まで発売された初代トヨタMR2(AW11)といえば、日本ではじめてミッドシップレイアウトを採用した量産車。運転席の後ろにエンジンが搭載されている2シーター車であることを強調した「背中にはふたりを酔わせるハートがある。」というキャッチコピーを思い出すひとも少なくないだろう。
ミッドシップに搭載された1600ccの4A-Gエンジン、その動力を効率よく活かすための後輪駆動、安定感を生む低重心&ワイドトレッド設計、こだわりのサスペンション、空力特性も意識した独創的なスタイルなどなど、新たなジャンルを切り開いたトヨタ渾身のスポーツカーと言えるだろう。
そんな“尖った”スポーツカーの初代MR2を愛車として所有し、その乗り味を「乗りやすくてちょっと物足りない」と表現する女性オーナーが、東京都江戸川区在住の『あけみこ』さん。
彼女がMR2を「乗りやすい」と感じるのは、それまでに彼女が乗り継いできたクルマたちが大きく影響しているよだ。
「親がダルマセリカに乗っていたのもあって、クルマは小さな頃から好きだったと思います。ただ3人いる子供たちが幼稚園に通いはじめた20代後半になって初めて免許を取ったから、自分で運転するようになったのはすごく遅かったんですよね」
意外にもクルマデビューは遅かったものの、もともとクルマ好きだったというだけあって取得した免許は当然ながらマニュアル。しかも仮免許取得後は旦那さんの愛車である重ステのAE86で、とても大変な思いをしつつ路上練習を重ねたそうだ。
そして免許取得後の記念すべき初めての愛車はEG5型のシビック。さらに、そこから続く愛車歴にも驚かされる。
「シビックは主人が『知り合いから買うからそれに乗りな』ってあてがわれたんです。でも自分的には乗った感覚が好きではなくて、あまり楽しくなかったんですよね。その後はAE86のレビンに、さらに友人から譲ってもらったBNR32型GT-R、そのあとはFD3S型のRX-7に乗りました」
ちなみにあけみこさんの旦那様は、今回の出張撮影会in千葉市でおなじく『たっぷり撮影』に当選し、取材を受けられたAE86乗りの圭さん。旦那さまと趣味を共有することで、楽しく充実したカーライフを送っているご夫婦というわけだ。
「RX-7はすごく楽しかったんですけど、維持するのが大変になってきたので軽自動車のカプチーノに乗り換えました。そして昨年、そのカプチーノを買い換えることになり、主人からは次のクルマを『AW11かFC3SかFD3Sの中から選んで』と言われて、なんでその選択肢!?って思いつつ、その中からだとFD3Sは高いし、じゃあAW11で!!ってことで、このクルマになりました。」
こうしてあけみこさんが購入したのが、1986年式のトヨタ・MR2(AW11)。GグレードでTバールーフやスーパーチャージャーを装備した後期型のマニュアル車だ。
鷲鷹類をイメージしたシンボルマークは「進化による空力的な美しさ」「敏捷」「力強さ」を表現しているという。
「実際に乗ってみた感想は、楽しさでいうと私の中では3番目くらいですかね。一番楽しかったのはRX-7で、その次がカプチーノ。MR2はその次くらいかなって。なんというか、難しさが足りないんです。
RX-7は強化クラッチだったので走るだけでもすごく大変でしたが、それが楽しくて。このMR2は普通に走れちゃうので…。それに乗り心地も良い方だと思いますが、やっぱり私には物足りなく感じています」
どうやら、あけみこさんがクルマに求める最優先は扱いやすさや乗り心地ではなく“運転するときのおもしろさ”で、クセのあるクルマを攻略するのが好きなのだ。
そういう意味では、あけみこさんが“物足りない”と表現するこのMR2は、素直で安心して乗れるいいスポーツカーということなのだろう。
そんなあけみこさんだが、このMR2に1年間乗り続けるうちに、旦那さまと相談しながら少しずつカスタマイズを進め、お気に入りポイントも少しずつ増えてきている様子。
「かわいいよりはカッコいい方が基本は好きなので、後ろから見た四角い感じの見た目が気に入っています。RX-7やカプチーノは丸い感じだったので、初めての角ばった系です(笑)。
あと、主人の判断で音を変えたいとマフラー交換をしたら、その音がすごく良くて、排気音が響くところに行くとつい踏みたくなっちゃいますね。あとは車高調とタイヤも交換しています。車高はそんなに下げてはいませんが、足まわりは硬めの乗り心地が好きですね」
エアロとホイールは購入時に装着されていたものをそのまま使用しているそうだ。
そして車内をのぞくと目に飛び込んできたのがリラックマのぬいぐるみ。
「お気に入りです! というか、運転する時の必須アイテムなんです。車内はハンドルを変えているくらいで、ほかは純正ですね。重ステは駐車するときが大変ですけど、たぶんAE86の方が重たかったですし大丈夫です。クルマの中では結構カセットテープを聴いていることが多いですね」
エンジンルームに搭載されているのは、後期型から追加設定されたスーパーチャージャー仕様の4A-Gエンジン。
「エンジンルームの中はエアクリーナーを変えたくらいです。基本、メンテナンスは自分たちでできることはやっているんですが、バッテリーを交換する際にインタークーラーを外さないとできないのがちょっと不便でしたね(笑)。
私は怖いのでそこまで踏み込むことはないのですが、スーパーチャージャーなので結構速いなーと感じています」
普段乗り用のクルマには乗りやすさや扱いやすさといった実用性を求める人が多いと思うが、愛車には一番に操る楽さを求めるあけみこさんは、普段の街乗りにもMR2を愛用しているという。
いまだに「物足りなさ」を感じているというMR2をさらに楽しいと思えるクルマに進化させていくかもしれないし、あるいはさらなる刺激や楽しさを求めてまた違うクルマに乗り換えるという選択肢もあるかもしれない。
いずれにせよ、あけみこさんのこだわりのカーライフは、まだまだ続いていくことだろう。
取材協力:フェスティバルウォーク蘇我
(文:西本尚恵/撮影:古宮こうき)
[GAZOO編集部]
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