学生時代に乗ったE30でBMWの虜に。新車購入したE46と18年間をともにしてきた3シリーズフリーク

  • BMW 318i M-SPORT(E46型)とオーナーのYAMAJUN55さん

「初めてのクルマはバイトして貯めたお金で買った日産のスカイラインジャパンでした。親父が日産党だったのでその影響もあったのと、大学入りたての自分にも手に入れやすかった価格ということで、グレードは2Lエンジンを搭載したターボGT-EXのマニュアル仕様を選びました」

若くしてスカイラインオーナーとなったという『YAMAJUN55』さんだが、この初愛車には少しほろ苦い思い出が残っているという。

  • BMW 318i M-SPORT(E46型)のテールランプ

「大学時代に当時好きだった子を横に乗せていたら『これってスカイラインなの?』と何気ない一言を言われてね。たしかにDR30型スカイラインなどの新型車が登場していたし、加速で他のクルマに置いていかれることもあって、それが悔しくて20才のときに買い換えました」

そうして次に選んだのは、GX71型のトヨタ・マークIIだった。
「ツインターボということで速そうな印象があったこと。それに内装もデジパネとかが採用されて高級感があるハイソカーな雰囲気で、こっちのほうがモテそうだからという理由も大きかったです(笑)」

さらに父親が日産・サファリを手に入れたことから、冬は父のサファリを借りてスキーに、シーズンが終わればマークIIに乗って日常のドライブと、20才から卒業までの2年間は、まさに1980年代の王道ともいえるような学生生活を謳歌していたという。

  • BMW 318i M-SPORT(E46型)の右側リア

社会人になるとNAのS13型シルビアに乗り換えて4年間ほど乗ったという『YAMAJUN55』さんが、初めてBMWオーナーになったのは27才のころだった。

「友人が乗っていた3年落ちくらいのBMWの325i Mテクニック(E30型)を手放すという話を聞いて譲ってもらったんです。地元が東京だったこともあって、学生時代は六本木で遊ぶ機会も多くて、そこで見ていたBMWはやっぱり憧れだったんですよね」

当時『六本木のカローラ』と呼ばれるほど大ヒットしたE30は、自身にとって初めての左ハンドル車、それに直列6気筒のシルキーシックス、くわえてサンルーフ付きのモデルということもあって、乗っていてとても充実感があったと当時のことを振り返る『YAMAJUN55』さん。

  • BMW 318i M-SPORT(E46型)のホイール
  • BMW 318i M-SPORT(E46型)のスカッフプレート

現在の奥様ともその当時に結婚して順風満帆な生活を送っていたものの、E30に不調が訪れる。

「6気筒が5気筒になったりとエンジンその他の不調が出てきはじめてたんです。ディーラーに持っていったら修理費がかなりかかりそうだったのと、子供ができるタイミングも重なって、そのときに東京モーターショーで見てカッコいいと思ったホンダのS-MXに乗り換えました」

5年間ほどファミリーカーとしてS-MXで過ごした後、現在のE46へ乗り換えのタイミングがやってきたのは2004年のこと。BMWの3シリーズはE46からE90へのモデルチェンジが発表されていたころだった。

「S-MXに乗っているあいだも、もういちどBMWに乗りたいとずっと思っていたんですね。それで、新しい3シリーズが発表されたんですけど、かなりスタイルが変更されたこともあってあまり好きにはなれず、E46の最終モデルが新車で手に入れられるタイミングだったのと、付き合いのあったディーラーの営業の方がとても印象の良い方だったので購入を決めました」

  • BMW 318i M-SPORT(E46型)の左側

S-MXは新車だったとはいえ、国産のコンパクトタイプのトールセダン。そこからランクアップする新車を買うにあたっては家族の理解を得るための説得も必要だったという。

「妻はボクの性格を知っていて『自分がこうしたい』と決めたら聞かない性格なのも分かっていたんですが、それでも念を押して『これを買ったらもう他のものは何もいらないから、新車で買わせてくれ』と説き伏せました(笑)」

そうして念願だった新車のBMWを購入することが叶った『YAMAJUN55』さん。有言実行とも言うべきか、その愛車は新車で購入してから18年ものあいだ、相棒として現在も所有を続けている。

  • BMW 318i M-SPORT(E46型)のエンジンルーム
  • BMW 318i M-SPORT(E46型)のエキゾースト
  • BMW 318i M-SPORT(E46型)のヘッドライト

318iに搭載されているエンジンは2Lで直列4気筒DOHCのNAモデル。3シリーズには2.5Lで直列6気筒NAの325tiというモデルも存在したが、20代でシルキーシックスを味わった『YAMAJUN55』さんにとっては、4気筒のモデルで必要十分だったという。

いっぽうで、マフラーはレムスの片側2本出しタイプへ変更し高級感ある仕上がりへ。またヘッドライトはE90以降では定番となった通称『イカリング』と呼ばれる形状のLEDを追加し、E46ながらも新型のBMWを感じさせる見た目となっている。

  • BMW 318i M-SPORT(E46型)のセンターコンソール
  • BMW 318i M-SPORT(E46型)のステアリング
  • BMW 318i M-SPORT(E46型)のシートベルトカバー

室内はBMWモータースポーツの3色カラーとロゴが配色されたファングッズのシート&ベルトカバーや、クッションといった小物類でドレスアップされていた。

そして、『YAMAJUN55』さんのBMWへのこだわりは、趣味であるミニカーのコレクションにも現れているという。

「社会人になってから始めた趣味で、様々なメーカーや車種のものを集めて現在は1500台くらいを所有しているのですが、BMWだけは特別扱いで、そのなかでも500台ほどあります。特にE46は今でも新しいものが見つかれば集めるようにしていて、50台ほどコレクションしています」

今回はそのコレクションのごく一部、それに愛着があってコレクションの隣に飾っているというE46純正メーターパネルの写真を送っていただいた。

18年間の所有を経て、経年劣化により修理が必要な部分も目立つようになってきているというが、このE46はこれからもこだわりを持って乗り続けたいと話す『YAMAJUN55』さん。
「まずは20年がひとつの節目だと思って、それを目標に考えています」

E90が登場してからも、F30、G20とモデルチェンジが行われるたびに大きくスタイルを変更するアップデートが行われてきたBMWの3シリーズ。そのひとつの転換点となったE46というモデルには、オーナーを惹き付ける何か特別な魅力が存在しているのかもしれない。

  • BMW 318i M-SPORT(E46型)とオーナーのYAMAJUN55さん

取材協力:フェスティバルウォーク蘇我

(⽂: 長谷川実路/ 撮影: 堤 晋一)

[GAZOO編集部]

出張撮影会で出会った素敵な愛車ストーリー(たっぷり撮影)

出張撮影会での愛車訪問(3カット撮影)

MORIZO on the Road