VTECエンジンに魅せられて。無限仕様のフィットRSを愛する25才

  • 無限エアロをまとったホンダ・フィットRS

ホンダファンがその理由を語る時、必ずといっていいほど話題にのぼるキーワードがある。ホンダエンジンのアイデンティティとも呼べる『VTEC』だ。

VTECは、パワーと環境性能を両立させるためにホンダが開発した可変バルブタイミング・リフト機構。
2種類のカム山を持つカムシャフトを回転数によって切り替えてバルブの開き方を可変させることで、低燃費が求められる街中とスポーツ走行に必要なパワーの両方をカバーするテクノロジーだ。

1989年にインテグラで初採用したのを皮切りに、シビックやS2000などホンダのスポーツカーに搭載されるエンジンの代名詞となり、現在も進化を続けながら多くのホンダ車に採用されている。

  • 無限エアロをまとったホンダ・フィットRSとオーナーのおぐらさん

そんなVTECエンジンに魅了されたことをキッカケに、新車で購入した2018年式のフィットRS(GK5)でカーライフを満喫している若者がいる。それが千葉県在住のおぐらさん(25才)だ。

「お父さんがインテグラタイプRに乗っていたんですが、VTECエンジンの特性で高回転になると音と速度が切り替わるんですよね。そのくせが好きで、それを感じているうちにホンダ車が好きになったんです。

で、免許を取得してクルマを買うとき、自分がそのVTECエンジンのクルマを手軽に買えるとなるとフィットしかなくて。それが僕にとって1台目の愛車です」

ところが、小倉さんにとって初めての愛車だった黒いフィットは事故で全損に…。そこで「どうせならもういちどフィットに乗りたい!」と、4年前にこの白いフィットを新車で購入することに踏み切った。

  • 無限エアロをまとったホンダ・フィットRSのフロント
  • 無限エアロをまとったホンダ・フィットRSのリアスポイラー
  • 無限エアロをまとったホンダ・フィットRSのフロントスポイラー
  • 無限エアロをまとったホンダ・フィットRSの左後ろ

そうしておぐらさんが購入したのが3代目となる2018年式フィット(GK5)。スポーティグレードのRSで、1.5Lのi-VTECエンジン『L15B』を搭載した6速MTモデルだ。

ポイントはオプションの無限エアロをフルで追加している点だろう。
「その時は事故の直後で結構投げやりだったこともあって、店長さんに言われるがままに無限エアロも追加したんですけど、結果的にはすごく気に入っているのでよかったと思っています。金額的にはだいぶ上がってしまったので、事故の保険金と、残りは3年ローンを組みました。

ちなみに車体カラーに白い色を選んだのは、以前乗っていた黒の時に水垢とかがすごくて手入れに困ったので(苦笑)」

RSというスポーツパッケージを、レーシーでより洗練された佇まいへと変化させる無限フルエアロを纏ったおぐらさんのフィット。
そんなおぐらさんに愛車の見た目で一番気に入っている部分を伺うと、真っ先にあげたのが、このクルマのトレードマークとも言える無限のエンブレムだ。

  • 無限エアロをまとったホンダ・フィットRSのお気に入りを語るおぐらさん
  • 無限エアロをまとったホンダ・フィットRSのリアランプ

「やっぱりフロントの『無限MUGEN』のロゴがすごく気に入っていますね。外装はサイドスポイラーやフォグ、フロントグリルや傷防止のドアカバーもすべて無限で統一しています。あとリアのテールライトも気に入ってます」

ちなみにホイールはこの日スタッドレス用のものを履いていたが、夏用タイヤには純正ホイールを普段から履かせているそうだ。

  • 無限エアロをまとったホンダ・フィットRSの3連メーター
  • 無限エアロをまとったホンダ・フィットRSのレカロシート

そして外装同様気になるのが車内。早速見せていただくと、目に飛び込んできたのがスポーティーさを高める3連メーターだ。

「この3連メーターは、カーショップを営んでいる友人のお父さんに頼んで装着してもらったんですが、とても気に入っています。あとはレカロシートに交換していますが、大きく変えているのはそのくらいですね」

  • 無限エアロをまとったホンダ・フィットRSのエンジンルーム
  • 無限エアロをまとったホンダ・フィットRSのブローバイ用キャッチタンク

エンジンルーム内はエンジンのブローバイ用キャッチタンクを追加した以外は、基本的にノータッチ。普段のメンテナンスもディーラーに依頼しているそうで、4年間で6万8000km走行しているものの、トラブルとは無縁のカーライフを送っている。

「自分のクルマは毎日の通勤から休日のドライブまでこれ1台で過ごしているんですけど、壊れたことは一度もないです。洗車も月に1回くらい、汚れが目立ってきたらという感じですね」

  • 無限エアロをまとったホンダ・フィットRSのハンドル
  • 無限エアロをまとったホンダ・フィットRSのメーターパネル

「実はクルマが趣味という友人や、フィット乗りの仲間も周りに全然いなくて。今回はシビックに乗っている友人がたまたま誘ってくれて、初めてこういうイベントに参加したんですけど、とても楽しめました」

そうはにかんだ笑顔で話してくれるおぐらさんの本職は、消防士さんだという。消防車の運転をする際に、普段フィットでマニュアル運転をしていることが役立っていると話してくれた。

「『頭文字D』が好きなので、休みの日はシビック乗りの友人と北関東方面にドライブに行ったりします。あとは趣味でホンダのバイクも2台持っているので、それでツーリングにいくこともありますね。

バイクはもともとVTECを採用しているCB400が好きで、そこからスポーツ系に走ってCBRに変わっていきました。本当にVTECが好きなんですよ」

  • 親子2人でフィットオーナーのおぐらさん

ちなみにおぐらさんにそのきっかけを与えたお父さんも、現在はフィットが愛車なのだとか。

「本当はタイプRを買いたかったけど、母親にダメと言われて(苦笑)。ふたり揃ってフィットでいいかと今では親子2代でフィット乗りです」

タイプRをはじめとする本格的なスポーツ仕様からすれば比較的経済的にVTECを楽しめるというのも、フィットの魅力のひとつといえるだろう。

  • 無限エアロをまとったホンダ・フィットRSの右リア

「ぼくはこのクルマに十分満足してしまっているので、これから特別何かしたいとかの欲がないんです。ゆるりと乗っているだけですが、できるだけ乗り続けたいと思っています」

おぐらさんにとってVTECとの出会いは、まぎれもなくクルマやバイクなどカーライフを充実させる大きなキッカケだった。そしてそのVTECをより身近な存在にしてくれたフィットというクルマの魅力もまた、おぐらさんのお話を通して改めて感じることができた。

取材協力:フェスティバルウォーク蘇我

(⽂: 西本尚恵/ 撮影: 古宮こうき)

[GAZOO編集部]

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