40年前のコロナFF 5ドアを譲ってくれたオーナーとの約束は、クルマで旅行に行くこと
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トヨタ コロナFF5ドア
愛車で日本中を旅するのが大好きだという「ジャパンツアラーさん」。そんなジャパンツアラーさんが旅行に出る際、必ずといっていいほど立ち寄る 手打ち味噌煮込みうどん屋さん があるそうです。
コクのある味噌スープが、コシのあるうどんに絡みつき、それをふーふー、ハフハフしながら食べるのがいいのだとか。あとは、そのうどん屋がちょっと変わっているから……。今回は、ジャパンツアラーさん×コロナ5ドア のお話をお届けします。
――手打ち味噌煮込みうどん屋さんが、非常に気になります。
味が美味しいだけじゃなくて、その 味噌煮込みうどん屋さんはね……
――は、はい(ゴクリ)。
美味しい味噌煮込みうどんを出してくれるだけじゃなくて、店主さんも、そこに訪れるお客さんも、ちょっと変わったクルマ好きが集まるお店なんです。
――ちょっと変わったクルマ好きって、どんな方たちでしょうか?
“変わった”に細かな定義は特にないんですけど(笑)、例えば、変なこだわりがあったりとか、人気の全くなかったクルマが好きだったりとか、古いクルマを何台も所有していたりとか、そんな感じです。
――個性豊かな人が集まるお店か〜!行ってみたいです♪面白い話も聞けましたし、そろそろコロナ5ドアの話をしましょう。
実は、この味噌煮込みうどん屋さんなくして、コロナ5ドアは語れないからお話したんですよ。なぜなら、コロナ5ドアは店主さんから譲り受けたクルマなんですから。
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トヨタ コロナFF5ドア
――そうだったのですか!でも、どういった経緯でそんなことに?
もともとは、店のマスコットカーとして店前に停めてあったんですよ。天気が良いときはカバーが外されていて、雨の日はかかってるという感じでした。
店主さんはフィアットやシャレード、リトラクタブルのクルマなど、色々なクルマをコレクションしていて、とあるクルマを買いたいんだけど、車庫がパンパンなんだよ〜なんて話をしていたんです。
それから3ヶ月後にお店に行ったら、「持って帰って欲しいものがある」といきなり言われたんです。オーディオ?何かの部品?と思ってついて行ったら、鍵を渡され、引き継ぎに必要な書類も全部揃っていて、どうぞ!という感じで渡されました。
――なにか裏がありそうですね。
あはは(笑)!ないないない!でも、それくらいビックリする話だけどね♪聞くと僕がクルマであちこち行っているのを見て、コロナ5ドアに色々な景色を見せてやって欲しい、そして旅先で写真を撮って見せて欲しいと言われたんです。
本当は自分がそういうことをしたいけど、店を持ってるから出来ないということも。それならば、ということで僕が引き取ることにしたんです。
――自分が恥ずかしいです。なにか裏がありそうなんて、邪な考えを持ってしまったことが。
普通あり得ない展開ですから、そう思う人も絶対にいると思います。その日は他のクルマで来ていたので、後日友達の積載車で引き取りに行きました。
ちょうどコロナの時期でテイクアウトが流行っていたんですけど、僕はコロナをテイクアウトだな、なんて思いましたね(笑)。
――実際に所有してどうでしたか?
大変でしたね〜。車検が切れて1年半くらい経っていたし、僕もしばらく放置していたから、いざ乗ろうと思ったときはかなり修理が必要な状態だったんですよ。半年くらいショップに預けて、やっと走るようになりました。
そうして乗り始めると、このクルマの良さに気付いたんです。乗り心地はしなやかで、シートはふわっとしていて、シトロエンBXそっくりだったんですよ。僕はこのクルマを、「和製BX」と言っています。
それだけじゃないですよ? フルフラットになるし、トランクのトノカバーを加工すると、ベンチやテーブルにもなる。
日本だと5ドアは不人気だったんですけど、何故良さに気付かなかったんだ!と思うくらい利便性もありました。日本中を自走で旅する僕には、最適のクルマでしたね。
――ほかに、どんな所が最適だと感じましたか?
ナビが付いていない。オーディオは無しで、ラジオしか聞けない。しかも、アンテナは手動でドアを開けて手で伸ばさないといけないってところかな。
――それって、不便なところなのでは?
いや。これは旅をする上で、最高のスパイスになりますよ。
大まかな目的地を決めた後は、誰にも指示されることなく、何にも縛られずに走ることが出来ますから。それこそ、時間がかかる方でもいいし、海が見える方でもいい。右からでも左からでも、思いついた通りに行けるというのは、ナビありだと難しいですからね。
――確かに……。でも、オーディオがあった方がいいと思ったことはないのですか?
ラジオが良いんですよ! 岡山、千葉、愛知など、その県に住んでいるDJが、天気やその地域のニュースなどを話してくれる。それを楽しく聞いていたのに、県を跨いだ途端に聞こえなくなる。これがいいじゃないですか。
――????
もう隣の県に入ったんだ〜、と気付けるじゃないですか。Bluetoothだと、その楽しさはないですよ。
――そう考えると、ナビ無し、オーディオ無しで十分ですね。
でしょ?運転者もクルマも、ありのままで走っていくスタイルが僕にピッタリなんですよ。
僕が旅をする理由は、自分を見つめ直す機会を作りたいからなんです。リラックスしているからか、仕事で使えるアイデアがパッと浮かぶし、出会う人は利害関係が無くて、ニュートラルに付き合える。
手打ち味噌煮込みうどん屋さんの店主以外にも、沢山の良い出会いがありましたよ。土砂降りで緊急避難した場所で偶然出会った旅人と、現在仕事を一緒にしていますし。お笑い芸人の卵の方は、寄せを開くようになったということでした。
こうやって、自分の運転で各地に行き、コロナと色々な景色をみて出会いを大切にしていきたいんです。お金は減るけど、財産は増えるということで!
年末年始は、どこへ行こうかとワクワクしていると話してくれたジャパンツアラーさん。次の旅先では、どんな出会いが待っているのでしょうか?
(文:矢田部明子)
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