30年連れ添うマツダ ファミリアアスティナ。免許返納後に抱く夢とは?
トヨタ パブリカ、ニッサン スカイライン、そこから結婚を機にファミリアに乗ったことをきっかけにマツダが気に入ったという「木村さん」。
その後ファミリアアスティナに乗り替え、気付けば30年間もアスティナに乗り続けているそう。良いクルマだとは思ってはいたものの、まさかこんなに長く乗るとは……と笑いながら話してくれました。なぜ、木村さんはアスティナから離れられないのでしょうか?
今回は、木村さん×アスティナ、そしてその後愛車に迎えたロードスターのお話をお届けします。
――まず、ファミリアに乗るキッカケは何だったのですか?
結婚した時に、嫁はんが嫁入り道具として持ってきたんです。当時大ヒットした「幸せの黄色いハンカチ」という映画に赤いファミリアが出てくるんですけど、その影響もあって爆発的な人気のあったクルマなんですよ。
あ~このクルマか〜。チャラチャラナンパクルマやん!が第一印象でしたね。ちなみに、幸せの黄色いハンカチって知ってます?高倉健が出てくるやつなんですけど。
――高倉健さんは知ってます。でも…黄色いハンカチは……。
ジェネレーションギャップですなぁ……。でも、40年間もファミリアに乗っているわけやから、そりゃ歳を取りますわなぁ〜。
――奥さんの嫁入り道具が幸せを運んできてくれたんですね♡それからいつ頃同じファミリアのアスティナに乗り替えたんですか?
平成4年にファミリアからアスティナに買い替えました。同じファミリアやから、40年選手のファミリア乗りですね。
嫁はんが好きなMTにしたんですけど、キビキビ動いて、クラッチを切って繋ぐとクンッとダイレクトに加速して4000回転からすごく良く回るんです。今はだいぶお婆さんになってもたから、「ひいいいい!」「きぃいいいい!」という悲鳴のような音を立てながら走ってますけどね(笑)。
――あはは!でも、どちらにせよすごく素敵です♡奥さんも喜んでいたのではないですか?
いや、それがそうでもなくて(笑)。
「子供達もおるんやし、他のでもええんちゃう?」という感じでした(笑)。でも、僕はやっぱりアスティナが良くてね。160万円くらいしたんですけど、お小遣いから100万円出すからと説得して、なんとか購入しました。
けど腹立たしいのは、僕がなけなしの金を出したことを嫁はんが忘れていることです。ちゃんと出したのに、ロードスターを買った時も「同じようなクルマばっかり買って!ワガママばっかり!」てなことを言うんです。ロードスターは僕が全額出したのに……。
――ワガママばっかり!というのは、日頃の行いなのでは? 食器を下げる、ごみを出す、そういう基本的なことはちゃんとしてますか?
ロードスターはね!アスティナを労わりながら乗ってあげたいというのもあったし、定年になってどうせならと100周年記念車を購入したんです。
――あっ!話をそらしましたね(笑)。30年前から乗っているアスティナとロードスターと比べてみてどうですか?
ロードスターは誰が乗ってもそれなりに乗れるし、もちろんアスティナよりも全てに関して性能はアップしてるんですけど、やっぱりアスティナの方が面白いですね。
クラッチの繋がるポイントが狭いから、ちょっと操作を間違えるとエンストしたりカクンカクンなったり。ダブルクラッチを切らないとクルマに負担がかかるなど、手がかかる反面その操縦度合いが楽しいんです。
――そんなアスティナの気に入っているところはどんなところですか?
ボディカラーが、ニートグリーンマイカという希少で綺麗な色なところですね。
あとは、同じ型のファミリアには3ドアハッチバック、セダン、5ドアハッチバックとあるんですが、その中でアスティナは5ドアハッチバックで子供達が大きくなっても4人が充分座れるし、後ろに荷物も積めるというところが気に入りました。
自分で色々手を加えている所もあるので、そこも好きですね。
――例えば?
外装でいくと、シザーズドアです。見た目もインパクトがあって好きですが、真横に駐車されている時に隣を気にせずに開けられるドア、という所が気に入っています。
内装はタンとグリーンで革張りしてある所ですね。天井はすごく肌触りの良い羊の皮を4枚使っているんですが、これは自分でDIYしたんです。手帳を自分で作ったりなど、革細工も趣味なんですけど、こんなでかいのを縫うのは大変でしたわ(笑)。
――今後はどういう風に乗っていきたいですか?
現状を維持しつつ、これまで通り乗っていこうと思います。そうやなぁ〜。あと10年は乗りたいですね〜。そのころは免許返上かな。とにかく、それまでは絶対に手放しませんわ!
納得の行くまで乗ったら、マツダ本社まで自走で運転し寄贈しようと思っていると話してくれた木村さん。
「おじいちゃんはどんなクルマに乗っていたの?」と孫に聞かれたら、「広島にあるから、いつでも見られるよ」と言ってあげたいそうです。
その夢が叶うのは、20年?いや、30年後かも?それまでずっと乗り続けることでしょう。
(文:矢田部明子)
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