2018年7月に始まったばかりの新ライドシェア・サービス TADAを使ってみた
TADAはMVL Foundation PTE Ltd.が運営しているシンガポールのライドシェア・サービスだ。TADAは、2018年の7月に発表されてサービスインしたばかりのライドシェア・サービスで、先行するGrabやRYDEなどを追いかけている。
MVL Foundationは昨年の12月にはカンボジアでTADAのサービスを開始したほか、今年前半にはベトナムでもTADAのサービスを開始する計画で、急速に東南アジア一帯でサービスを展開していく方針だ。
TADAのアプリはiPhone向けとAndroid向けが用意されている、日本のクレジットカードでも利用可能
- TADAのAndroid用アプリ
TADAを利用するにはスマートフォンに、アプリを導入しておく必要がある。
iPhone用はiTunes Store
[https://itunes.apple.com/sg/app/tada-ride-hailing/id1412329684?mt=8]から、
Android用はGoogle Play Store
[https://play.google.com/store/apps/details?id=io.mvlchain.tada&hl=ja]
から導入することが可能だ。
導入後は、Facebookアカウント、もしくは新しく作るTADAのアカウントを利用してログインする必要がある。後者の場合ログインIDはメールアドレスになる。なお、ログインIDはメールアドレスになるが、やはり携帯電話の電話番号の登録は必須で、登録時にはSMS(ショートメッセージサービス、電話番号同士でやりとりするメッセージサービス)が使える必要がある。このため、もし日本で使っているう携帯電話の番号で登録するなら、シンガポールでもその携帯電話が使えるように海外ローミング・サービスへ加入しておく必要がある。あるいは、シンガポールで使えるプリペイドSIMを購入して使う場合は、そのプリペイドSIMの電話番号で登録すればよい。
- クレジットカードの登録画面、日本のVISAカードが使えた
支払いは現金かクレジットカードを登録して行なうことになる。今回は日本で発行されたVISAカードを登録してみたが問題なく利用することができた。なお、登録時には1 SGD(シンガポールドル)が課金されるが、後ほど返金されるという形になる。
他の乗客とライドシェアするサービスはなく、タクシー的なサービスのみ提供
- TADAでEconomyを指定したらスズキのSX4が登場
登録が終了すれば、現在地と目的地を指定して、利用するサービスの種類を選ぶだけだ。他のライドシェアを利用するときと同じように、現在地がずれている可能性があることには注意したい。というのも、現在地はスマートフォンの位置情報から推定されている場所になるので、実際にずれている可能性があるのだ。必ず設定画面に表示されている現在地が、実際に乗ろうとしている場所(例えばホテルの名前など)と一致しているかどうかを確認しておこう。
- オーダー画面
- ドライバーが決まると詳細が送られてくる
TADAにはGrabでいうところのGrab Shareのような他の利用者と車両をシェアするサービスはなく、一番安価なEconomyがGrab Car相当の最大4人乗りに相当する。ただ、実際のところGrab Shareも事実上のタクシーサービスのように利用されていることを考えると、特にこれで困ることはないだろう。他にも、Economy Large(6人乗り)、Premium(4人乗り、プレミアムカー)、Premium Large(6人乗り、プレミアムカー)などが用意されているほか、それぞれのグレードでタクシーを呼べるサービスが用意されている。ただし、ペットも同乗できる車両のような、特別な車両はない。また、取材時にはなかったが、現在はAny Tadaという選択肢も追加された。これは、ボディタイプやタクシーなどを問わず、最寄りのTADA契約ドライバーを呼べるというもの。これによってより配車の時間を短くするのが狙いだろう。現在はまさにライドシェア・サービスの過渡期であり、各社まさに日進月歩でサービスの向上を図っているようだ。
- 2019年3月現在のアプリ画面。タクシーも含めて車種を問わずに呼べるAnyTADAというメニューが追加されている
最後発だけあって都心であっても呼べない場合があり。アプリの使い勝手は悪くない
- TADAを利用してみた
今回TADAを利用して分かったことは、サービスが2018年7月開始という比較的新しいサービスということもあり、やはりサービス台数は少ないようだ。車両が多いはずの都心で6人乗りのクルマを呼ぼうとしたのだが、随分探しても車両が見つからないという状況だった。結局は6人乗りのEconomy Largeは諦めて、4人乗りのEconomyを呼んだところすぐ車両を見つけることができた。
なお、その際にホテルの中から呼んだせいか、スマホの示した現在地がずれていた。そんな場合も、後からドライバーにチャットを利用して場所を伝えることができるなど、アプリの使い勝手は悪くないと感じた。
- 6人乗りのEconomy Largeを検索中。検索する範囲が1.3km、1.6km、1.9km……、と徐々に広がっていくがこのときは結局見つけることができなかった
- ドライバーが見つかったあと、そのドライバーとはチャットでやり取りできる
ドライバーによれば、TADAは最後発ということもあって、GrabやRYDEよりもドライバーにとってよい条件を出していることで、Grabなどから移ってきているドライバーも少なくないということだった。また、利用運賃についても、あくまで条件によるだろうが、今回比較したケースでは、GrabやRYDEと比べて安く設定されていた。すぐにでも配車したいならGrab、待ち時間が長くても安く済ませたいならTADA、といった使い分けをするのが賢い使い方だろう。
TADAを運営するMVL Foundationは、今後ウォレット機能やペイメント機能をアプリに追加する計画だと自社のWebサイトで説明しており、今後もサービスの拡充を図っていく予定だ。アプリの使い勝手が向上し、契約する台数も増えれば、先を行くGrabやRYDEといった他のライドシェア・サービスの背中が見えてくるのだろうし、競争が生まれることで、ライドシェア・サービス自体がますます使いやすく、さらに進化する様子が期待できそうだ。
[ガズー編集部]
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