[S耐向上委員会Vol.6]長島正明選手が「やっぱり見た目が大事」と語るその想いとは!?

スーパー耐久をもっと盛り上げるために、いろいろな方がお持ちの想いやアイデアをお届けするGAZOO.comのコンテンツ「S耐向上委員会」。
第6弾はST-3クラス 15号車 OKABEJIDOSHA motorsportのオーナードライバー、長島正明選手です。

一昨年も別企画で取材させていただいた岡部自動車さんは、現在のスーパー耐久となった翌年1999年から参戦し続けている老舗チームです。
そんなチームを率い、パドックの中でもスーパー耐久を一番楽しんでいるお一人(編集部の独断です!)でもある長島選手にお話を伺いました。

レースのレベルが上がってきて、なかなか「お立ち台」に上がれない

プロドライバーとかメーカーさんが参入してきていて、スーパー耐久のステータスが上がってきているのを感じています。
観に来てくれたお客さんにも、これなら「なんだ、草レースじゃん」と言われないですしね(笑)

僕自身ドライバーとしても、同じチームにはスーパーGTのドライバーもいますし、プロのドライバーと同じ土俵で戦えて、自分の走りを比較できるのがすごくいいと思っています。また、そうしたトップドライバーとファンの距離が近いのも、スーパー耐久の魅力ですよね。

ただ、これまでは走り切れば”お立ち台”に立てたりしましたが、レースとしてのレベルも上がっていて、優勝したり表彰台に登ったりするのが難しくなりました。
それでも、その分やりがいもありますし、もちろん勝つつもりで挑んでいます!

また、マシンが速くてその分お金もかかるクラスもあれば、プライベーターで身近なクルマを改造してそこまでお金をかけずに参戦できるクラスまで、いろんなチームがいて、いろんなドライバーがいるのも楽しいですよね。

まずは「見た目から」も大事!

あえて言うと、もう少し予算を抑える方法があればいいなと思います。でもこれはなかなか難しくて、昔はレースでいい成績を出せばタイヤを無償で供給してもらえた時代などありましたが、そういう時代でもないですしね。

新しくレースを始めるドライバーにとって、スーパー耐久が一つの目標、憧れとなってくれるとうれしいですが、予算を抑えるためにレースとしてレベルや参戦のハードルを下げるのも良くないと思っています。

まずはできることから言えば、見た目から全体的にカッコよくすることも大事ですよね。
うちのチームでもパドックに置いておくトラックは新しいものにするとか、ドライバーはもちろんメカニックもかっこいいウェアを着たりとか、パドックのテントや備品もできるだけ見た目をよくするように意識しています。

みんなが意識することで、少しでもかっこいいパドックになってくれると、参加する側も観る側も憧れ感が増すのかなと思います。

あとレース自体は、運営のみなさんの苦労と努力のおかげですごくいいものとなっているのと思います。あえて言えば、サクセスウェイトがもっと極端だったりすると誰が勝つか分からなくて面白くなるかもしれないですね。

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長く参戦されスーパー耐久を知り尽くしている長島選手には、逆に難しい質問となってしまったかもしれません。
ただ、「最近勝てていなかったりするけど結構満足していますよ」と語ってくれた時の笑顔は、すごく充実感にあふれているなと感じました。

この長島選手のご意見に対し、スーパー耐久機構(STO)の高谷克実スーパーバイザーからS耐が目指す運営についてコメントをいただきました。

スーパー耐久シリーズは、ジェントルマン(アマチュア)ドライバーとプライベートチームが主役となり、プロフェッショナルチーム・プロドライバーとの共生を目指していますが、ジェントルマンドライバーとチームの前に立ち塞がる手強いプロの壁も存在しています。
プロチーム、プロドライバーに果敢にチャレンジすることは、ジェントルマンとして自分たちのスキルを上げるモチベーションとなっていますし、プロとのレベルの高い駆け引きは観客にとっても見応えのあるものとなっています。一方、STOとしてはスポーツとしての公平性を保ちつつ、参加する全てのチームが表彰台に上がれるチャンスを作りたいと考えています。
コスト面など規則だけで解決できない課題やチームの成り立ちと構成がまったく違う各チームの要望すべてを満たすことは難しいことですが、常に俯瞰の目を持ち、観客や参加者の皆様に支持されるレベルの高い運営をしていきたいと考えています。

ぜひ、みなさんもサーキットにお越しの際は、レースだけではなくてパドックやチームウェアなど、いろいろなものを意識して見てみると、いろんなこだわりが見つかって面白いかもしれないですね。

(文:GAZOO編集部 山崎 写真:折原弘之、GAZOO編集部)

 

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