[S耐向上委員会Vol.1]新企画スタート! 元F1ドライバー中野信治選手が思うスーパー耐久の進化に必要なこととは?
2022年6月4日~5日にかけて、スーパー耐久の第2戦、NAPAC富士SUPER TEC24時間レースが行われました。
各クラスとも素晴らしいバトルが繰り広げられ、今年もたくさんのドラマが生まれています。
もちろん優勝したドライバーやチームのみなさんは最高の笑顔を見せてくれました!
でも、力いっぱい走ったドライバーのみなさんや、何度もマシンを修復してコースに送り出したメカニックのみなさん、そしてチームを支えたスタッフのみなさんも、うれかったり悔しかったり、疲労困憊だったりといろいろな表情を見せてくれましたが、きっとこの達成感は病みつきになるんでしょうね。
本当にお疲れ様でした!
そんな現地、富士スピードウェイで、今多方面で注目度の上がっているスーパー耐久がもっと盛り上がるためどうしたらいいのか、参戦しているドライバーやチーム、関係者に聞いていこうという企画をスタートします。
題して、『S耐向上委員会』。
ぜひコメント欄でも、みなさんが思っているスーパー耐久が盛り上がるための秘策を教えてください。
第1回はみなさんご存じの中野信治選手です。F1のフル参戦ドライバーであり、世界3大レースとして数えられるF1モナコGP、ル・マン24時間、インディ500に、日本人として初めてすべてに参戦されました。
現在は、ホンダレーシングスクールの副校長も務めていてその教育の一環として、富士24時間レースにも、育成プログラム「Honda Formula Dream Project」出身の西村和真選手、三井優介選手、小出峻選手と一緒に参戦されています。
中野信治選手「進化するためには『初心忘れるべからず』」
ル・マン24時間には9回出ていて、フランスではレースが一つの文化になっていることを感じていますしそれはいいことだとは思います。
でも僕としてはスーパー耐久が海外のレースを意識する必要はないと思っていて、日本なりのモータースポーツの楽しみ方や日本らしい24時間レースを作り上げていくことがすごく大事だと思います。
スーパー耐久は若い選手にとってはいい学びの場でもありますし、プロも楽しみながらも自分の技術をさらに磨くための要素がちりばめられているので、本当に意味があるレースだと思っています。プロもジェントルマンもすごく楽しめていると思いますし、すごくいい価値が創造されているなと思います。
これからの時代はレースレースしているより、スーパー耐久みたいなみんなで楽しみながらプロも初心者も混ざってやれるような参加型レースというのが、ある意味“勝手に”盛り上がっていくと感じています。
だからスーパー耐久を盛り上げるために特別な何かを追加するのではなくて、今あるものを正常進化させることが大切だと思います。
そう考えると、「初心忘れるべからず」というのが、このレースが進化するために一番大切なことだと思います。
みんな進化するためには変化させなきゃという方向に持っていこうとしますが、僕はむしろ戻らなきゃという方向だし、灯台下暗しで何か大切なことを忘れてはいないですか?と思っています。
それがモータースポーツがもう一度たくさんの方たちに興味を持ってもらったり、参加する側も楽しむための一番のカギだと思っています。
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今回、スーパー耐久に関わるみなさんのご意見を伺って、みなさんと一緒にスーパー耐久をもっと盛り上げたいという想いで「S耐向上委員会」(※実在する組織ではありません)という企画名を付けております。
ただ、少し差し出がましい感もあり、スーパー耐久機構の桑山晴美事務局長に、GAZOOとしての想いをお伝えし記事をご覧いただきましたところ、この企画名のOKをいただくことができました!
さらに、差し出がましいついでに、スーパー耐久機構とレース関係者のみなさん双方のご意見を記事にしたいと、桑山事務局長はじめスーパー耐久機構の方に記事へのコメントをいただけないかという相談をしましたところ、こちらもOKをいただけたんです。
そこで、初回ということもあり、中野選手の記事にはスーパー耐久機構の桑山晴美事務局長からコメントをいただきましたので、ご覧ください。
「2022年、5年目を迎えた今年の富士24時間大会では(特にチェッカーの時)、『これぞ日本が創り上げていく24時間レース』と肌で感じました。
世界の名だたるレースは大変素晴らしいものですが、真似ばかりでは真の感動は生まれません。
進化させたり変化をさせていかねばならないのは、スーパー耐久をより多くの方々に知っていただく手段や公平性を求める規則の在り方等ですが、「自分の好きなクルマで意義ある時を共に仲間と過ごしていく」というスーパー耐久の精神性は変わることがあってはならないと思います。
これからも皆様に寄り添いながら関わる全ての方々に愛され続けるレースであるように力を注いでまいりたいと存じます」
いかがでしたでしょうか。海外レースをよく知る中野選手の言葉だけに非常に説得力がありますよね。
それでは次回もお楽しみに!
(文:GAZOO編集部 山崎 写真:折原弘之、GAZOO編集部)
S耐向上委員会
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