[S耐向上委員会Vol.10]TRACY SPORTS兵頭信一代表「S耐もサーキットも一緒に楽しんでほしい」
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TRACY SPORTS 兵頭信一代表
スーパー耐久をもっと盛り上げるために、いろいろな方がお持ちの想いやアイデアをお届けするGAZOO.comのコンテンツ「S耐向上委員会」。
第10弾はST-1クラスとST-3クラスで合計3台のマシンを走らせるTRACY SPORTSの兵頭信一代表です。
日本車にこだわり、自分達でレーシングカーを作ることが楽しいという兵頭代表。スーパー耐久には初期から参戦し、数多くのレーシングカーを製作、同時に多くのメーカーとともにパーツの開発も行っています。
また兵頭代表はドライバーの育成にも力を入れていて、TRACY SPORTSで経験を積んだトップドライバーもたくさんいらっしゃいます。
パドックでは、『おやっさん』と呼ばれ多くのスーパー耐久関係者に慕われる兵頭代表のスーパー耐久を盛り上げるアイデアとは?
レース専用パーツでコストと整備の時間を低減できたらいい
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38号車 muta Racing GR SUPRA
ここ最近の流れでは、海外メーカーのGT3やGT4車両を購入して参戦しているチームが増えていて、日本車が勢いでおされてしまっている感じがします。ただ、もう少し長い目で見ると、レーシングカーのトレンドにも波があるので、また変わってくるかもしれないですね。
僕としては、スーパー耐久というからには、もちろんN1規定(※改造範囲が狭い市販車に近いレーシングカーの車両規則)を大事にしながらも、耐久レースとして壊れやすいパーツについては、同じ車種で共通のレース専用のパーツを使えるようにできたらと思います。
純正パーツを使うことはでマシン製作時のコストは抑えられるわけですが、壊れやすいパーツを頻繁に交換していてはその分コストが上がってしまいます。自動車メーカーも量販車用に作っているパーツなわけで、サーキットで走るにはそれ専用のパーツを使うことで、2、3年で考えればコストが下がると思います。
また、パーツ交換の回数を減らせれば、メカニックのサーキットでの作業は基本的な整備のみになって、残業時間も減らせると思うんですよ。
あとは最近のクルマは電子制御が多いので、もちろんエンジン自体はノーマルでもいいから、レース専用のフルコンピュータを使っていったらいいと思います。
もちろん、参加台数も増えて、いろんなお客さんに興味を持ってもらうのは大事だと思いますし、そういう面ではうまくいっているのかなと思います。
※スーパー耐久の車両やパーツに関する規則は、こちらをご覧ください。
お客さんに自分のクルマでコースを走らせてあげたい
レースを盛り上げるためには、レースファンのみならず多くの人にサーキットに興味を持ってもらうことが大切だと思います。
そのためには、コースの空いている時間を使ってお客さんを楽しませることができたらと思います。ファミリーカーであればパレードランでもいいと思いますし、スポーツカーであれば5ラップでもいいから、有料でも自分のクルマで走らせてあげたらどうかと思います。
僕たちも免許を取ったばかりのころ、F3000とかのレース終わった後に、サーキットを2周走れる走行イベントのために、サーキットに行ったりしていました。
実際に走ることで、「サーキットってこんなに広いんだ」とか感動したり、そういうのをきっかけにもっとサーキットで走りたいと思うようになりましたよね。
例えば、そこに各チーム1人ずつメカニックを出してもらって、簡単な車検をやってあげたり少しマシンのセッティングをみてあげたりすると、よりスーパー耐久とお客さんの距離が縮まるかなと思います。
ミニサーキットで走っている人で、スーパー耐久をやるような大きなサーキットを目標にしている人も多いと思うし、レースを見に来ながら大きなサーキットも走れることは、新しい一つの魅力なるんじゃないかな。
兵頭代表の若かりし頃の思い出に根差したアイデアを伺うことができました。メカニックの方のみならず、ドライバーのみなさんにドライビングのアドバイスや同乗走行なんてものもやってもらえたらいいなあ、なんて勝手な妄想が膨らみます。
そんな兵頭代表のアイデアに、スーパー耐久機構の桑山晴美事務局長からコメントをいただきました。
ご来場者様に対し「マシンのセッティングをみてさしあげる」という兵頭さんのアイデアはとても面白いですね。チーム様のお時間がうまく調整できるのであれば、走行会等と連携できたらと思いました。
実はまだドライバーとして乗ることも「機会があれば」と話す兵頭代表。スーパー耐久の老舗チーム、そして日本車を使うチームの雄として、これからも注目のチームですよ!
(文:GAZOO編集部 山崎 写真:折原弘之、GAZOO編集部)
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