[S耐向上委員会Vol.20]阪口良平選手「ファンと共通点の多いレース。車種別応援席とか盛り上がりそう!」
スーパー耐久をもっと盛り上げるために、いろいろな方がお持ちの想いやアイデアをお届けするGAZOO.comのコンテンツ「S耐向上委員会」。
第20弾はST-3クラスの63号車 TRACY SPORTSでシリーズ参戦、第5戦もてぎはST-3クラスがお休みのため、このレースから参戦を開始したST-5クラス 12号車 MAZDA SPIRIT RACINGのロードスターにアドバイザー役として参戦した阪口良平選手です。
元ブリヂストンのワークスライダーである阪口顕さんを父に持ち、甥っこさんにはスーパーGTとスーパーフォーミュラに参戦する阪口晴南選手と、華麗なるレース一家の阪口選手。
高校1年生からカートを始めてジュニアフォーミュラにも参戦、スーパーGTではさまざまなチームで活躍、また韓国のレースにも招待ドライバーとして参戦し、チャンピオンを獲得した経験もあります。
スーパー耐久にも長年参戦し、ST-2クラスで3年連続チャンピオンを獲得するなど、S耐を代表するベテランドライバーの一人です。
そんな阪口選手に、スーパー耐久が盛り上がるためのアイデアを伺いました!
それぞれのモチベーションを持ったチームが集まるのがスーパー耐久
スーパー耐久のST-XやST-Zクラスにはジェントルマンドライバー枠があって素晴らしいやり方だと思うんですよね。僕たちプロドライバーはジェントルマンドライバーのコーチングをさせてもらって、速くなってもらうことでチームの戦力をアップするという役割もあります。
また、普段ではなかなかお会いできないようなすごい方もドライバーとして参戦されていて、そういう方との出会いの場という意味でも、僕たちプロドライバーには大切なレースだと思います。
いっぽう、自分達でクルマを造るST-1~5クラスは、プロドライバーばかりのチームではなく、チームの成立ちや車種、予算の多い少ないなどいろんなキャラクターのチームが存在することが面白いと思います。
昨年はST-1クラスで、“手作り”のスープラで、FIA GT4(ST-Zクラス)のスープラとどれだけ戦えるかということに挑戦してきましたが、チームも個人もそれぞれのモチベーションや目標を持って戦っているというのがスーパー耐久というレースだと思います。
それがもっと伝わってくれるとお客さんもいろんなスーパー耐久の楽しみ方ができるかもしれないですね。
僕はST-1~今回ロードスターに乗せていただいてST-5クラスまで参戦した経験がありますが、11年参戦して名前を売らせてもらったST-2クラスが一番印象深いです。雨の日などは総合トップも狙えることもありましたし。
自分達でクルマを造ると限界が読めなかったり、壊さないようにセーブして走らなければいけないこともあります。
最終的にはチーム力で勝つんですけど、速くてクルマにも燃費にも優しいといったトータルでうまく、冷静に走ることができると、個人としてもアピールできるレースだと思います。
以前は全部で24台くらいしかエントリーしていなかった時期もあったりして寂しいなーと思ったこともありましたが、今ではピットも全部埋まっているし、パドックはすごく活気があって、主催者や参加者、メーカーの方々に感謝したいですね。
S耐はお客さんとの共通点が多いレース
スーパー耐久はお客さんとの共通点が多いレースだと思います。実際にレースを走っているクルマに乗っているオーナーさんと一緒に盛り上がったり、ピット来てもらってクルマを見てもらったりできるといいですよね。
僕はSUPER GTではMC86というマシンに乗っていますが、エンジンはV8 4.5Lでミッションは後ろに搭載されていたりと、86のオーナーさんから見ても「一緒なのはライトだけじゃないか!」と言いたくなるかもしれません。
でもスーパー耐久は、参戦しているクルマもそうですし、同じホイールやエアロパーツを付けることもできて、すごく親近感を持ってもらえるレースだと思います。
またスーパーGTではメーカーの応援席はありますが、スーパー耐久では車種別の応援席があってもいいですよね。
ホンダ応援席というとスポーツカーじゃなきゃダメなのかと少し萎縮しちゃうかもしれませんが、フィット応援席であれば、普段からお買い物でフィットを使っているお母さんとかその家族にも気軽に応援してもらえそうですよね。
あとはホイールメーカーの応援席とか、パーツメーカーの応援席とか、いろんな共通点を引き出して楽しんでもらえる方法があると面白いですよね。
スーパー耐久の特長の一つである身近なクルマやパーツメーカーが参戦しているということ。それぞれの車種に乗る方が集まり“応援団”として楽しんでくれると、スーパー耐久も盛り上がりますし、ひょっとしたら新しい車種の参戦のきっかけになるかもしれません。
スーパー耐久を長年観てきていると当たり前に感じてしまうことですが、まだスーパー耐久を知らない方には興味を持ってもらうきっかけになるかもしれないので、ぜひとも広めていきたいですね。
(文:GAZOO編集部 山崎 写真:スーパー耐久機構、折原弘之、GAZOO編集部)
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