[S耐向上委員会Vol.8]山脇大輔選手が思うレースへの憧れを向上させるためのアイデアとは?
スーパー耐久をもっと盛り上げるために、いろいろな方がお持ちの想いやアイデアをお届けするGAZOO.comのコンテンツ「S耐向上委員会」。
第8弾はST-Xクラスの888号車Grid Motorsportのエキスパートドライバー山脇大輔選手です。
「僕、本当に会社員なんですよ。あんまり信じてもらえないんですけど(笑)」という山脇選手。
実業団でアメリカンフットボールの選手として活躍後、日本の保険会社などを経て、現在は外資系のリスクコンサルタント企業にお勤めとのこと。
(具体例として、地震が起きた際のエリアごとのリスクレポートを作成したりしていますと教えてくれました)
その傍ら、自らドライバーとして、さらにチームのマネージメント業務なども行っていらっしゃる山脇選手に、レースに関わるようになった経緯から、スーパー耐久への想いを伺いました。
ドライバーのみならずチームの運営でも大活躍
僕は高校、大学、実業団とアメリカンフットボールをやっていましたが、実は全然クルマには興味がなかったんですよ。
レースを始めたのは2006年くらいなんですが、兄がレース関係の仕事をしていたのでサーキットに行くようになって、面白そうだと思って始めました。
最初はシビックのワンメイクレースから始めて、スーパー耐久にもけっこう長く参戦していますし、スーパーGTではFRO(First Rescue Operation)のドライバーを務めさせてもらっています。
レースを始めてから15年ほど経ち幅広くレースに関わらせていただいていると思いますが、それもいろいろな方に助けていただいて、本当にラッキーでここまで来ることができたので感謝ですね。
スーパー耐久は参加型のレースとして、いいスタンスのレースだなと思っています。門戸が広いけど競争力もあって、すごくいい印象を持っています。
プロモーションに関しても、YouTubeの活用とかいろいろやっていただいていて素晴らしいなと思います。
あとドライバーとしてだけでなく、レーシングカーを買ってレースに出たいという方とたまたま知り合いまして、そのチームの運営などもさせていただいています。
そうしたチームやレースのマネージメントの仕事は、会社での経験やアメフトの時の組織運営の経験がすごく活きていると思います。
レースへの憧れを高めるためにできること
色々なチームやクラスがあって難しいとは思いますが、サーキット、特にパドックに来ているゲストやファンに対してのプロモーションを大事してはどうかと思います。
サーキット内での造作とかチームのトラックを整えて並べること、予選の時にクルマを斜め45度に出してすべて並べておくなど、お金をかけないでできることをルールとして決めてやっていくことで、見栄えのいいレースになると思います。
こういうところからもレースへの憧れ感が増すんじゃないかなと思ってます。
GTワールドチャレンジなどは、本当に見た目を大事にしているので、参考になるのかもしれないですね。
あと、ドライバーの規定に関しても、スーパー耐久独自のエキスパート、ジェントルマン、プラチナという規定よりも、FIAのブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナという規定の方がいいのではないかと思っています。
FIAのドライバー規定をざっくりと分類
- プラチナ F1のスーパーライセンス所持ドライバー、メジャーカテゴリーのレースで勝利、もしくは上位入賞しているプロドライバー
- ゴールド プラチナ以外のプロドライバー、規定のレースカテゴリーで勝利、もしくは上位入賞しているアマチュアドライバー
- シルバー 非プロのレースシリーズなどで優勝したアマチュアドライバー
- ブロンズ 上記以外のアマチュアドライバー
現状のスーパー耐久ですと、ジェントルマンドライバーが一人でプロドライバーが2人~3人というチームが多いと思いますが、FIAでいうブロンズのドライバーを各チーム2人というルールにすると、アマチュアドライバーの参加枠も増えるし、ドライバーの持ち込みの資金も増えるので、チームの運営も少し楽になります。
あとは、チームエリアとパドックエリアをある程度分けて欲しいとも思っています。それは安全管理の問題もありますが、チームのスポンサー様やゲストなどへのおもてなしをすることも、レースへの憧れを高める大切な要素だと思っているからです。
もちろんスーパー耐久の親しみやすさも大切にはしたいので、ドライバーやチームとファンとの触れ合いは、共有スペースを設けてそこで各チームに積極的に参加してもらった方が、よりファンとの距離感が縮まるのではないかと思います。
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いかがだったでしょうか。
さまざまなジェントルマンドライバーが中心となるレースをご存じで、その世界観にリスペクトするからこそ、スーパー耐久へもその要素を取り入れたいという想いを感じることができました。
この山脇選手のご意見に、スーパー耐久機構の桑山晴美事務局長よりコメントをいただきました。
またイベントとしての在り方については、ここ数年はコロナの影響で着手できておりませんが、イベントの完成度は高めてもガチガチに作りこみすぎず、どこか良い意味でのスキを残していくことがスーパー耐久だと思っております。それは現地大会でのドライバーやチームの皆様のお顔を拝見してそう感じております。
普段の仕事とドライバー、そしてチームの運営と三刀流で活躍する山脇選手。
これからもサーキットの表と裏、両方の舞台で大活躍されていきそうです。
S耐向上委員会
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