[S耐向上委員会Vol.11]太田彩美マネージャー「もっとお子さんや女性にサーキットで楽しんでほしい」
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D'station Racingの太田彩美マネージャー
スーパー耐久をもっと盛り上げるために、いろいろな方がお持ちの想いやアイデアをお届けするGAZOO.comのコンテンツ「S耐向上委員会」。
第11弾はST-XクラスとST-1クラスに2台体制で参戦するD'station Racingでマネージャーを務める太田彩美さんです。
レーシングチームの縁の下の力持ちであり、多くの細々とした業務をこなす必要があるレーシングチームのマネージャーという大変な仕事。
百戦錬磨のプロドライバーやジェントルマンドライバー、さらにエンジニアやメカニックなど“職人”達に囲まれながら、「人にも恵まれ、いろいろなことを経験させてもらっています」と楽しそうに語る太田さんが、マネージャーになるまでのお話をまずは伺いました。
高校1年生で初めてレースを観戦しすぐにレース業界に入ると決意
「高校1年の時にはレース関係の仕事に就くことを夢見ていました」という太田さん。
でも、近くの町に住んでいながらも御殿場にサーキットがあることも知らなかったというほど全く興味のなかった太田さんが、レースに興味を持つきっかけとなったのは、たまたま譲ってもらったチケットがあったということで、レース好きというお父さんと一緒に訪れたスーパーGT。
「なんでこんなスピードで走っているの!?」と衝撃を受け、そこからレースにドはまり。
そして何度かサーキットに訪れるうちに、男の世界だと思っていたレーシングチームにチームスタッフと同じウェアを着ている女性スタッフがいることに気づき、どんな仕事をしているのか興味を持ったそうです。
そこで、ピットウォークの時などにそんな女性スタッフに話かけることで「マネージャー」という仕事を知り、すぐに将来はこの業界に入ると決めていたという行動派な太田さん。
とはいえどうしていいのかも分からないため、高校卒業してからまずは富士スピードウェイでアルバイトを始め、同じアルバイト仲間の方の伝手からレース現場だけお手伝いするマネージャーとしての仕事を始めることができたといいます。
そして、マネージャーとしてレースに関わること3年、D'station Racingで働いていた際に、D'station Racingが御殿場にガレージを作るなどスタッフの募集があったタイミングで、晴れて社員として本格的なマネージャー活動をスタートしました。
そんな太田さんに、スーパー耐久がどのようなレースと感じているのか伺っていきましょう。
ドライバーさんはとにかく楽しそう!
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ピット、パドックで忙しなく動き回る太田彩美マネージャー
日本のレースの中で、プロドライバーとジェントルマンドライバーが一緒に楽しめるレースとしては、スーパー耐久は参戦台数も多いですし、盛り上がっているレースですよね。
ジェントルマンドライバーの方がチームを持って、そこに助っ人としてだけでなく先生としてプロドライバーに加わってもらって、チームみんなで盛り上がりながら走る、そういった楽しむためのレースでもあると思います。
時間も長いですし、いろいろな展開があるので、ジェントルマンドライバーにとってもそうですけど、プロドライバーも楽しめるレースなんじゃないかなと思います。
走ることが大好きな人たちが集まっていて、いろんなクルマと一緒に走れるというだけでも魅力的ですしね。
とにかく、ドライバーさんたちは走っていて楽しそうなんですよ! ジェントルマンドライバーがプロドライバーの走行データを見てああでもないこうでもないとやっていたり、どんどんドライビングがうまくなっていくのがすごく分かるので、走っていて楽しいんだろうなあと思います。
もちろんレースなのでピリピリしている時もありますけど、流れが良ければ勝てるぞっていうレースだと思うので、そういうところもスーパー耐久のいいところかもしれないですね。
お子さんと女性にもサーキットでもっと楽しんでほしい
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太田彩美マネージャーは、ドライバーに負けず劣らずレースを楽しむ!
まだコロナのため難しい面もありますが、お子さんがもっと楽しめるようなことがあるといいですよね。
D'station Racingではお子さん向けに工場の職業体験をやっているんですけど、みんなすごく目をキラキラさせて喜んでくれるんです。
その時にTシャツなどをプレゼントすると、それを着てサーキットに応援に来てくれます。
ピットウォークでドライバーにサインとかしてもらうのも楽しいとは思いますが、メカニックだったりドライバーがどんな仕事をしているのかもっと間近で見て知ってもらうことができたら、もっと夢が広がると思いますし、より具体的にこういう仕事があるんだっていうことをイメージしてもらえると思うんです。
メカニックやエンジニアもクルマを整備する仕事だけじゃなくて、タイヤを洗ったりパソコンで分析したりいろいろな作業をしているわけですから。
お子さんはレースを観に行きたくても自分だけで行くことはできないので、お子さん連れのご家族が遊園地とか動物園に行くような感覚で、サーキットに来てもらえたらいいのになって思います。それでお子さんが何か体験できたりして喜んでくれると、お父さん、お母さんも一緒に喜んでもらえるはずですし。
女性目線としては、女性がレースを好きになるきっかけは旦那さんとか彼氏さんとかに連れてきてもらってというのが多いと思いますが、女性だけでも興味を持って観に来てもらえるような企画や、施設面での改善などがあるとうれしいと思います。
例えば、推しのドライバーを見つけやすくして欲しいですよね。私もジェームス・ロシター選手を追いかけていたこともありますし(笑)。
スーパー耐久は1チームのドライバーの人数が多いですけど、もう少し一人一人に光が当たるようにすると、「この人いいかも!」みたいな発掘ができるかもしれません。
あとは、海外レースのメカニックってカッコよく見えますよね。日本のメカニックのみなさんもカッコよく見えるようにフォーカスして欲しいなと思います。
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太田さんは現地に行けば、ピットやトラックの設営・撤収、ドライバーのサポート、ウェアのお洗濯、お弁当出して、グリッドにモノを持って行ったり、タイムスケジュールとか公式通知を印刷して展開したり、パーツを運んだり、クルマを拭いたりと、これはほんの一部でたくさんのやるべきことがあります。
また事前には、エントリー書類やタイヤ、窒素などのレース関連から、スポンサーやゲストの対応、ホテルや弁当などの手配のほかに、太田さんはD'station Racingの経理まで任せられているため、経費の計算から月末の処理なども行っているというから、本当に大変だと思います。
ただ、そんな太田さんですが、インタビュー中もたくさんの笑顔を見せてくれましたし、ドライバーさんに負けず劣らずマネージャーの仕事を楽しんでいるように感じました。
そして、それは太田さんの仕事っぷりがみなさんに認められているからこそであり、20代前半と若いのに本当にすごいなと、ただただ勝手に関心してしまいました。
そんな太田さんのお話に対して、スーパー耐久機構の桑山晴美事務局長からコメントをいただきました。
変革期の今、クルマやモータースポーツを通して、未来に夢を持っていただけるようなコンテンツも企画していけたらよいですね。
ぜひ、現地のサーキットに観戦に行った際には、ドライバーだけでなく、いろんなチームスタッフに注目してほしいと思います。
<参考>
2022 Kids Racing Garage Experience & Tour Hosted by D'station Racing / イベント開催レポート
(文・写真:GAZOO編集部 山崎)
S耐向上委員会
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