[S耐向上委員会Vol.16]大澤学選手「スーパー耐久をマシンの中から体感してほしい」

  • 59号車TOWAINTEC Racingの大澤学選手

スーパー耐久をもっと盛り上げるために、いろいろな方がお持ちの想いやアイデアをお届けするGAZOO.comのコンテンツ「S耐向上委員会」。
第16弾はST-2クラスに参戦する59号車TOWAINTEC Racingの大澤学選手です。

免許を取るまでクルマには全然興味がなかったという大澤選手。お父様であり自動車部品を製造する「東和インテック」を経営する大澤俊之社長が好きでレースをやっていたことで、“半ば強引に引き込まれた感じ”でレースを始めたそうです。

筑波サーキットで開催されたN1耐久レースの1戦でもある「ナイター耐久」で、親子一緒に参戦したことを皮切りに、インテグラのワンメイクレースにシリーズ参戦、スーパー耐久にも自チームがスポット参戦からフル参戦するようになり、レース歴は20年くらいになるそうです。
そんな大澤選手に、スーパー耐久が盛り上がるためのアイデアを伺いました!

ST-2クラスは、ST-3やST-4とあまり差のない難しいクラス

僕が参戦し始めたときは、タイヤメーカーの競争も激しくて、メーカーワークスの参戦もあって、プロドライバーがしのぎを削っているようなレースでもありましたね。その後タイヤがワンメイク化になってからは、プライベーターが活躍できるようになって、アマチュアドライバーも参加しやすいレースになったのかなと思います。

最近は、ST-2クラスのタイトルを連続して獲得していたので、その性能調整の影響でクルマもだいぶ重くなってきています。その影響で、ST-3クラスの方が速かったり、オートポリスなどではST-4クラスにもそんなにアドバンテージがない状況になったりと、難しいクラスだなと思いますね。

以前は、モビリティリゾートもてぎでのラップタイムは2分2秒台とかでしたが、今はそれよりも8秒~10秒くらい遅くなっていますし、クルマが重い分タイヤライフにも厳しいので、もう自分との戦いでもありますね。

ST-2クラスは昔から出ているチームも多かったのでチーム同士でけっこう仲良くやっているんですけど、ST-3クラスなんかはいつもバチバチやってて大変そうだなって横目で見てます(笑)。

S耐マシンでの走りを体験してほしい

  • 59号車 DAMD MOTUL ED WRX STI

もともとは自分たちが競い合って楽しむためのレースというところから始まっているので、ファンの方に観に来てもらいたいというアピールが弱いのかもしれないですね。

参加しているドライバー的に見れば、スーパーGTに参戦していたり名だたるドライバーも多くいますし、普段みなさんが乗っているようなクルマもたくさん走っているので、実際観たら楽しいと思うんですけどね。

ST-Qクラスの話題などは最近メディアにたくさん出ていますが、それも集客にはつながっていないようにも感じています。

僕たちドライバーもお客さんがいっぱい入っているとテンション上がりますし、富士の24時間レースはキャンプやバーベキューとかクルマに興味のない人が楽しめる要素がたくさんあるので、ぜひともたくさん観に来てほしいと思っています。

ファンサービスとしては、例えばS耐のマシンに助手席を付けて同乗走行でサーキットを1周するとか、ペースカーやスポーツカーでもいいので、ファンにサーキットを走っていることを体験して欲しいですね。

安全面は大変だと思うんですけど、外から観るのと、実際にマシンの中で体感するのは全然別世界だと思いますので、体験したら絶対にハマってくれると思います。

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ラップタイムで8秒~10秒も遅くなっているとは驚きですね。

ただクラスごとにイコールコンディションで、どのチームにも勝つチャンスがあったり、マシンという道具だけではなくドライバーやチームメンバーの総合力で戦うレースがスーパー耐久らしいとも思いますので、ぜひこれからも熱いバトルを見せて欲しいですね。

この大澤選手のアイデアにスーパー耐久機構の桑山晴美事務局長からコメントをいただきました。

立場にかかわらず垣根がないのがスーパー耐久の魅力のひとつだと思います。
新型コロナウイルス感染症のこともありますが、未来につながるST-Qクラスだけでなく、新旧1台1台のクルマの魅力をもっと対面で近くで感じていただける企画が必要だと常々思っております。

私も86&BRZレース車両で同乗走行した経験があり、コースインで急加速からの1コーナーのブレーキ、その後の1周を、ずいぶんと前の話ではありますが鮮明に思い起こすことができます。
それがもっと速いレーシングカーなら、もう……!
ぜひ観るだけでは分からないドライバーのみなさんの“すごさ“を体感する機会ができたらいいですよね!

(文:GAZOO編集部 山崎 写真:折原弘之、GAZOO編集部)

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