[S耐向上委員会Vol.28]服部尚貴選手「富士24時間レースで海外の耐久レースの強豪チームと走ってみたい」
スーパー耐久をもっと盛り上げるために、いろいろな方がお持ちの想いやアイデアをお届けするGAZOO.comのコンテンツ「S耐向上委員会」。
第28弾はST-Zクラスに参戦する52号車 埼玉トヨペット Green Braveの服部尚貴選手です。
レースファンならみなさんご存じの服部尚貴選手は、全日本GT選手権/SUPER GTやフォーミュラニッポンでも活躍したトップドライバーですが、アメリカのオープンホイールレースやル・マン、スパなどの24時間レースに参戦するなど、国内外でさまざまなレースに参戦経験を持つベテランドライバーです。
そして現在は、SUPER GTのレースディレクターとドライビング・スタンダード・オブザーバーという役職に就き、レース中に起きるさまざまなインシデントへの判断の平準化や、レースの運営側とドライバーの間に立ってドライビングの質の向上を目指すなど、ドライバーとしての技術はしかり、その人柄が多くの方に支持されていることが分かります。
そんな服部選手に、スーパー耐久が盛り上がるためのアイデアについて伺ってみました。
ST-Zクラスでは誰でも乗りやすいマシンを目指したい
SUPER GTはドライバーからチームまですべてがプロフェッショナルです。それに対してスーパー耐久は、アマチュアドライバーを含めいろんなドライバーが楽しめるし、プロフェッショナルなチームもレースに特化しているわけではないチームもあったり、また普段はレースと関係していない人たちが集まってやれるレースで、とてもおもしろいですよね。
今年からST-ZクラスにGRスープラで参戦していて、台数も多いクラスですが全体的にガツガツと戦うというよりはクリーンなレースが行われている印象です。
僕としてもアマチュアドライバーの方もいらっしゃるレースですので、いつもギリギリでというより、いろんなマージンを取りながら走ってはいます。
チームの雰囲気としても、それぞれの持ち場は責任をもってやりますが、全体的に和気あいあいとしていて、そんなにガチガチになってやっているということはないです。
昨年までは一から製作したクラウンでST-3クラスに参戦していましたが、今年はST-ZクラスのGT4車両に乗り替えたことで、マシンとして触れる部分は限られています。
でも今年はジェントルマンドライバーの山崎学選手もチームに加入していますし、尖ったクルマではなく誰でも乗りやすくてレースをずっと安定して走れるクルマを目指して、メカニックとコミュニケーションをとっています。
触れる部分が少ない中でもできることはたくさんあるかなと思いますし、セッティングの変更をしてみてクルマの動きがこう変わるんだとか、毎回いろいろ試行錯誤しています。
開幕戦から2戦勝できていますが、ウエイトも積まれていきますし、その辺りもいろいろ確かめていく必要がありますね。
海外の耐久レースの強豪チームを招待してみては!?
3時間や5時間、24時間など、レース時間のバリエーションがあるのはいいと思いますし、いつも同じではないことでやりがいとか楽しさもあると思います。
もちろん長いレースを増やすとお金もかかってしまいますが、富士24時間レース以外にもお祭りレースが増えてくれると盛り上がるかもしれないですね。
あとはニュルブルクリンク24時間にしろスパ24時間にしろ、大きな耐久レースはいろいろな国のドライバーやチームが参戦しています。
そう考えると、富士24時間レースもそうやっていろんなチームが参戦できたり、海外からの招待チームの参戦枠みたいなものがあってもいいんじゃないかと思います。
ST-XとST-Zクラスであれば、FIA GT3とFIA GT4車両で世界共通のマシンですからやりやすいと思います。ニュルブルクリンクの耐久レースで実績のあるチームだったり、みんなの刺激になるようなチームとかを招待できたら面白いですよね。
もちろんS耐の多くはプロのレーシングチームばかりではないですが、海外の強豪チームはメカニックも訓練されていると思いますし、そういうのを近くで見ることができると、チーム側としても刺激になったりヒントをもらったりできますよね。
そうすることでレース全体がレベルアップすれば、富士24時間レースはアジアや世界に向けて誇れるレースにしていけるんじゃないかと思っています。
ST-Qクラスもありますが、いろんなトライができるのがスーパー耐久だと思いますし、これからもいろんな可能性があるんじゃないかな。
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いかがでしたでしょうか。確かに今年のニュルブルクリンク24時間レースで優勝したアウディのフェニックスや最多優勝を誇るポルシェのマンタイ・レーシングなどの名門チームが来てくれたらワクワクしますよね。
また、服部選手も「ST-1~5クラスは日本固有のものになっているので難しいかもしれない」とはおっしゃっていましたが、アジアのチームがJDMでマシンを仕上げて参戦してくれたりしても面白いかもしれないですよね。
今年からスーパー耐久のレースは「Twich」というサービスで英語の実況をつけて海外配信をするなどの試みも行われていますが、こうした海外チームの招へいはスーパー耐久のグローバル化への近道かもしれません。
(文、写真:GAZOO編集部 山崎)
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