[S耐向上委員会Vol.14]冨桝朋広選手「24時間レースは出入り自由にしたらたくさん観に来てくれるかも」

  • シンリョウレーシングチームの冨桝朋広選手

    シンリョウレーシングチームの冨桝朋広選手

スーパー耐久をもっと盛り上げるために、いろいろな方がお持ちの想いやアイデアをお届けするGAZOO.comのコンテンツ「S耐向上委員会」。
第14弾はST-2クラスで2台のランサーエボリューションⅩを走らせるシンリョウレーシングチームのオーナードライバー、冨桝朋広選手です。

冨桝さんはスーパー耐久の前身であるN1耐久にも参戦していて、2002年にはシンリョウレーシングチームを立ち上げそこから参戦している老舗チームです。
ジェントルマンドライバー中心で、家族のような雰囲気でレースを楽しむ、“参加型レースのお手本”のようなチームなんです。

以前もシンリョウレーシングチームについて取材させていただいておりますので、ぜひそちらもご覧ください。

そんな冨桝選手が思うスーパー耐久と、盛り上がるためのアイデアを伺いました。

新しいクルマでも古いクルマでも楽しめるレース

アットホームでみんなでレースができるというのがスーパー耐久のスタートですし、それをなるべく長く続けていきたいですね。

三菱自動車のサテライトショップをやっていることもありランエボでレースを始めましたが、こうして最後まで残っているから、もういけるところまでランエボでやりたいと思います!

単に勝つだけを目指すのであればもうランエボを選んでいないかもしれないですが、いろんなクルマが出ているのがスーパー耐久のいいところで、例えばGRヤリスとかに乗り替えてそのクラスがワンメイクみたいになってしまったら面白くないんじゃないかとも思っています。

それから、プロドライバーばかりではなくて乗りたいと言ってもらえるジェントルマンドライバーと一緒に楽しめたらいいのかなと思います。

完成されたレーシングカーやメーカーチームも参戦してきて、レースとして盛り上がっているのはすごくいいと思います。
ただ、ジェントルマン、アマチュアドライバーがみんなでお金を持ち寄って楽しむレースであり続けるのか、スポンサーさんがいてプロドライバーが活躍するレースになって行くのか、今はどの方向に進んで行くのか難しいですね。

基本的には参加型のレースなので、新しいクルマでも古いクルマで出ても戦えたり、これまでずっと参戦している人たちは、スーパー耐久が好きでやってきているし何があっても出続けようと思っている人たちなので、その人たちが楽しめるレースであって欲しいですね。

あとは、せっかくランエボで参戦しているので、ランエボに乗っている人がもっと見に来てくれるとうれしいです。

24時間レースは出入り自由でたくさんの人に観に来て欲しい

  • 6号車 新菱オート☆夢住まい館☆DXL☆EVO10 (c)スーパー耐久機構

    6号車 新菱オート☆夢住まい館☆DXL☆EVO10 (c)スーパー耐久機構

富士スピードウェイの24時間レースは、海外の耐久レースと同じように出入り自由にしたらどうかと思います。

海外では1週間まるまる現地で楽しんでたりするじゃないですか。何日間もいるからゆっくりと楽しめるしビールもたくさん飲めるけど、土曜日に来てテントを設営して、レースが終わる前からテントを片づけたりして帰るって忙しないですよね。

知り合いとか業者さんとかも、招待券を渡すと来てくれますが、家族みんなでレース観戦をしようするとお金がかかるから大変そうなんですよね。
でもそういう人たちも週末はキャンプをやって楽しんでいたりするし、普段キャンプをするのは河原とかなので、例えばレースが見えるところじゃなくてもいいと思うんですよね。

メインはキャンプを楽しみながら、たまにコースサイドに来てレースを観てみたり、お祭りとして楽しんでもらうのもありだと思います。

場内でキャンプをするなら少しお金をもらってもいいとは思いますが、観るだけならフルオープンだとしたらお祭り感覚でちょっと行ってみようかってなると思うし、それでたくさんの人が来てくれれば、飲食店とかグッズショップとか違うところでお金を落としてくれるんじゃないかなと。

あと、レースの楽しさってサーキットに来てもらわないと分かってもらうのは難しいですよね。
試しに観に来てレースの楽しさにハマってくれるかもしれないですし、そうすれば他のレースではお金を払って観てもらえるかもしれなくて、モータースポーツの底上げになるかもしれません。

純粋にレースで人を呼ぶことは難しいとは思いますが、国内唯一の24時間のレースでありスーパー耐久だからこそできることがあるんじゃないかと思っています。

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いかがでしたでしょうか。
国内唯一な24時間の長いレースですし、すでにお祭りの雰囲気もあるからこそなアイデアに、実現したらたくさんの人が楽しむ姿が想像できて思わず笑顔になっちゃいますよね。

この冨桝選手のスーパー耐久への想いに対して、スーパー耐久機構の桑山晴美事務局長にコメントをいただきました。

スーパー耐久は、「仲間を集い自分の乗りたいクルマで参加する」が大きなコンセプトです。
レースである以上、勝ちたい気持ちはもちろん皆様お持ちだと思いますが、勝ち負けだけではない楽しさや感動をチーム内でご共有いただきたいと思っております。ランエボのお話もありましたが、お客様とご自分の好きなクルマが走っているチームの皆様をおつなぎして、普段聞けないようなお話が直接できると、サーキットでの楽しみも、より深いものになると思いました。

先日インテグラもスーパー耐久から引退してしまいましたが(涙)、スーパー耐久を代表する車種の一つでもあるランエボには、いつまでも元気に走り続けて欲しいですね!

(文:GAZOO編集部 山崎 写真:スーパー耐久機構、GAZOO編集部)

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