[S耐向上委員会Vol.18]山野直也選手「時にはどんでん返しが起きるようなルールも楽しそう」

  • 22号車Porsche Team EBI WAIMARAMA 山野直也選手

    22号車Porsche Team EBI WAIMARAMA 山野直也選手

スーパー耐久をもっと盛り上げるために、いろいろな方がお持ちの想いやアイデアをお届けするGAZOO.comのコンテンツ「S耐向上委員会」。
第18弾はST-Zクラス、Porsche Team EBI WAIMARAMAの山野直也選手です。

子供の頃はあまりクルマに興味のなかったという山野選手。
一回り年の離れたお兄さんでもある山野哲也選手が活躍していた全日本ジムカーナを観戦に行ったり、哲也選手のクルマを運転させてもらう中で、「運転することって楽しいな」ということに気が付いたといいます。

最初の愛車でもある10万円で譲ってもらったAE86で、ガソリン代やタイヤ代のためにガソリンスタンドでバイトをしながら夜な夜な走り回っていた学生時代から、卒業後はITベンチャー企業の社員として平日は普通に働き、週末はジムカーナで腕を磨いていきました。

その後、エンドレスやプロジェクトμで製品の開発をしながらレースに参戦するようになり、スーパーGT、スーパー耐久、ワンメイクレース、D1などあらゆるサーキットレースに参戦し、86/BRZレースの初代チャンピオンにも輝いています。

現在ではポルシェのディーラーで経営に携わりながら、サーキットのDNAを受け継ぐポルシェの魅力をお客様に届けるドライバーとして、多方面で活躍されています。

そんな山野直也選手に、スーパー耐久が盛り上がるためのアイデアを伺いました!

スーパー耐久はコース上でお互いを尊重し合うレース

スーパー耐久はプロドライバーからアマチュアドライバーまでいろんな方が同じところで走ることができて、モータースポーツを純粋に楽しめるレースだと思います。
僕が参戦しているST-Zクラスは、Aドライバーは必ずアマチュアドライバーですし、一緒にレースを楽しみながらご自身のブランドなどを宣伝していただくこともできます。

レースなので結果が出ることでプレッシャーがかかる場面もあると思いますが、アマチュアの方でも溶け込みやすいレースです。
コース上でもものすごくお互いを尊重して、ウインカーを出して譲り合ったり、譲ってくれたらサンキューハザードを出したり、そういうコミュニケーションを取りながら、でも結果を競い合うというバランスがうまく取れたレースだと思います。
ピュアスポーツとは違う楽しみ方ができるレースですよね。

以前はお客さんもチケットだけでパドックに入れて、ドライバーともチームとも近い距離に行けることで、お客さんからも身近に感じてもらえるレースだと思います。
また走っているクルマも基本的には市販車ベースでみなさんが所有できる車なので、そこも親近感が湧いて楽しめるレースなんじゃないかなと思います。

時代とともにルールを変えていくことでチームもファンも楽しめるレースへ

  • 22号車Porsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS(スーパー耐久 ST-Zクラス)

    22号車Porsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS(スーパー耐久 ST-Zクラス)

ST-X、ST-ZクラスはAドライバーがアマチュアドライバーと決められていますが、その他は自由なのでプロドライバーやそれに準じた方が乗っていることが多いですよね。
でも、例えばBドライバーもアマチュアドライバーにするとか、アマチュアドライバーをたくさん誘致できるようなルール作りをすると面白いと思います。

速いドライバーが勝つレースはそれはそれで重要なことですし、努力をしているから勝てるわけですけど、時には劣勢なチームが優勝争いできたり、どんでん返しがあるようなレースの方が、観ているお客さんも楽しめるかもしれません。

今のルールはいいルールなので長年続いていると思いますが、時代とともに少しでもルールを変化させていく、さらに言うと毎年ルールが変わっていくようなレースだと、常勝チームではないチームやそのチームのファンの方にも「勝てるかも!」という夢を持ったレースになっていくかもしれないですね。

例えば、もう少しサクセスウエイトを大きくするとか、先ほども言いましたがジェントルマンドライバーを増やすとかいろいろルールを変えていったらどうかと思います。

あとは、今スーパー耐久のレースはYouTubeで楽しめるようになっていて素晴らしいことですが、ライブ車載カメラを全車に載せたり、定点ではなくドライバーの顔が見えたり、足の操作とか手の操作とかいろいろなものが見えるようなカメラをいっぱいつけたりするといいんじゃないかと思います。

プロドライバーのテクニックとか、アマチュアドライバーでもここまでやっているんですよとか、ファンの方が応援しているチームやドライバーの細かいところまで、いつでも見たいところを見られるように選べたらいいですよね。

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スーパー耐久は名前の通り耐久レースのため、多くの波乱があり最後まで何が起きるのか分からないというだけでも魅力的なレースですよね。一方でプロドライバーが多いチームが有利であるという側面もあるかと思います。

スーパー耐久が「参加型レースの最高峰」を追求するのであれば、アマチュアドライバーであることのメリットがルール化されることで、アマチュアドライバーや新規参戦チームの参加が増えて、もっと盛り上がって行くかもしれないと感じる取材となりました。

例えば、プロドライバーにはピットストップの際に停止時間を少し長くするなど、どう思いますか?

(文:GAZOO編集部 山崎 写真:折原弘之、GAZOO編集部)

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