[S耐向上委員会Vol.24]小松一臣選手「S耐は人間味があって、もっと触れ合えるレース」
スーパー耐久をもっと盛り上げるために、いろいろな方がお持ちの想いやアイデアをお届けするGAZOO.comのコンテンツ「S耐向上委員会」。
第24弾はST-3クラスに参戦する15号車 OKABEJIDOSHA motorsportの小松一臣選手です。
クルマを走らせることが大好きだった小松選手。ある時、サーキットでの走行会に参加した際に「オレ、速いじゃん」と気づいたところからレース活動をスタート。
富士フレッシュマンレースでスターレット、AE101型を経てAE111型カローラレビンを駆り東日本のサーキットで活躍していたころ、オートバックスの若手育成プログラムでサポートを受けることに。
そのお金で、かの有名な「ジム・ラッセル・レーシングスクール※」に参加しレースの基本を学んだことが、後のレースでもとても役に立っているそうです。
※F1チャンピオン(アイルトン・セナほか)からインディ500やル・マン24時間ウィナーなど、錚々たるドライバーが卒業生に名を連ねるイギリスの名門レーシングスクールです。
スーパー耐久創設直後から参戦する岡部自動車で、22年間ステアリングを握り続ける小松選手に、スーパー耐久をもっと盛り上げるアイデアについて伺いました。
スーパー耐久は人間味のあるレース
速く走るのは当然だと思いますが、メカニックさんとのコミュニケーション能力だったり、自分の気持ちのコントロールだったりを上手くすると、メカニックさんもそれに応えて、「あいつのために何とかしてやろう」みたいな気持ちになってくれるようなレースだと思うんですよ。
だから自分がクラッシュしてしまって申し訳ない時は当然手伝いますし、仲間がクラッシュした時でも物を運んだりするだけでも率先して手伝うようにしています。
そういった人間味のあるレースですので、とても人として成長できるのかなと思います。
ST-3クラスは、本当に疲れますよね。ST-5クラス同士も一生懸命戦っているので邪魔しないようにしたいですし、後ろから速いマシンも来ますし、乗っている時は本当に苦しいです。
ST-5クラスはコーナリングが速いですし、ST-4クラスの86も雨の日とかすごく速かったりしますし、自分も相手もロスしないように、常に考えながらレースをしています。
サクセスウェイトをもっと重くしてヒリヒリなタイトル争いを
レースなので競っているのは当然ですし、プロドライバーが揃っていて勝つ気満々のチームもあると思いますが、そのチームばかりが勝ってしまうのが気になっています。
ですので、もっと勝つと辛くなるくらいサクセスウェイトを積んだらどうかと思います。
世界ではピットストップタイム何秒といった調整も行われていますが、いろいろなルールが混ざり合うのは分かりにくいので、単純にウェイトをもっと重くするのがいいと思います。
そうすれば、どのチームにも勝つチャンスがあって、最後の最後までギリギリのチャンピオン争いが行われると思いますし、そのほうが観ているファンのみなさんにも楽しんでもらえると思います。
参戦している僕たちも、ブレーキングポイントを手前にしたりしてマシンを労わりながら、いかに取りこぼしのないレースをするのか、すごくヒリヒリするレースを楽しめるんじゃないかな。
スーパー耐久なので、少ない予算で参戦しているチームもありますので、そうしたチームだってたまには表彰台に上がりたいと思いますので、ぜひやってほしいですよね。
あと、ファンのみなさんとももっと近づきたいですよね。S耐に来て楽しかったってなれば、また必ず戻ってきてくれると思いますが、ただ観ているだけではそうはならないんじゃないかと思います。
例えば、全部のチームでできるか分からないですけど、運転席に座らせてくれたりしたら、SNSでそういったことが拡散して話題になったりするんじゃないかと思います。
ある程度の人数限定にはなってしまいますが、チームごとのマシンの造り込みの違いを楽しめたり、座るだけでも親近感が湧いて応援してくれるかもしれないし、横に立って写真を撮るよりも、思い出に残りますよね。
そういった“触れ合う”ということができるのはスーパー耐久ならではだと思いますし、そういった経験を通して少しでもお子さんがクルマ好きになってくれたらいいですよね。
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ご実家の家業、レーシングインストラクター、そしてレース参戦と、多忙な中でも常に感謝の気持ちを忘れず、レースを心から楽しんでいる小松選手。
スーパー耐久に出ていることで、レーシングインストラクターや自動車メーカーの試乗会でのドライバーなどの仕事にもつながっているそうですが、小松選手の実力と人柄がそうした縁を呼び寄せていると強く感じられた取材となりました。
ヒリヒリしたチャンピオン争いと、楽しさあふれる触れ合いがもっと同居するレースになって、誰しもが楽しめるスーパー耐久になるといいですよね。
(文:GAZOO編集部 山崎 写真:スーパー耐久機構、GAZOO編集部)
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