通勤からダートラまで、スイフトスポーツは二人三脚で苦楽をともにする戦友
会社に勤めるかたわら、ダートトライアル競技に参戦されるすがっちさん。愛車のスイフトスポーツは通勤をはじめ日常使いから競技走行まで、道を選ばず元気に走ります。
――それではまず、すがっちさんがこれまでに所有したクルマを教えて下さい
免許証を取得したのち、最初に中古の先代スイフトスポーツを2台、乗り継ぎました。どこにでも行ける嬉しさと、はじめたばかりのジムカーナの楽しさでガンガンと乗り回したため、共に半年ほどで廃車になりました。
次に2代目ヴィッツと、競技用に4代目ミラージュを購入。それから2年で同じモデルのミラージュを買い、先のミラージュを部品取り用にしました。そして4年前、ダートラで勝負できるクルマが欲しくなり、ローンを組んで現行型のスイフトスポーツを新車で買いました。
――念のための確認ですが、すがっちさんのスイフトスポーツ、車検は通りますよね?
もちろんです。全日本ダートトライアル選手権(以下、ダートラ)でも私の出場しているクラスは公道をそのまま走行できる車両でなければならず、基本的にはノーマルです。これは競技毎にきびしくチェックされます。
――安心しました。ダートラはどのクルマからはじめられたんですか?
ミラージュからです。元々、父がラリーなどB級ライセンス競技をやっていて、僕が小さい頃にはダートラやジムカーナなどの大会に行ってました。毎週末、各地の競技会場へ連れて行ってくれたため、物心がついた頃にはすっかりとクルマ好き少年になっていました。
本当はラリーをやるためにミラージュを買ったのですが、練習でダートコースを走りに行ったら、ダートラにハマってしまいました(笑)。
――クルマ好きやダートラ活動は、お父さんの影響だったんですね。では今のスイフトスポーツを除いて、思い出深いクルマはどれですか?
青春フィルターもかかって、ミラージュですね。ミラージュに乗ってダートラしてた時が1番、楽しかった。エアコンレスなので熱中症になった事もありましたが、高回転型NAの愉しさは唯一無二だと思います。
最初のミラージュは15万で買ったオンボロで、少しずつ修理しながら乗っていました。2台目に乗り替える頃には(生産終了から年数を経ていたため)純正部品の欠品が出始めており、ついには修理できない箇所があらわれたため、乗り続けることを断念しました。手放してしまったこと自体は、今でももったいなかったと後悔しています。
――今の愛車、スイフトスポーツを選んだ理由を教えて下さい
荷物を多く載せることができてタイヤ代が安く、ダートラで勝負ができるクルマだったからです。ダートラの選手権は全国で開催されます。勝負だけなら86、BRZも選択肢としてありますが、自走で競技会場まで向かうことを考えたときに、86、BRZの積載量では不足を感じたので選外に。
乗り慣れていた先代スイフトスポーツも考えましたが、タイヤ代がわずかに高くなるのと、将来的な戦闘力の不足が考えられるので選外にしました。
――はじめて現行型スイフトスポーツを乗ったときの感想は、いかがでした?
はじめてのターボだったこともあり、先代スイフトスポーツやミラージュと比べて「トルクはあるけど、上まで回らないな」と、感じました。でもクルマの軽快さと運転の楽しさはすごくあって、納車から1週間はあちこちに走り回り、1500キロくらい走っていました。
――スイフトスポーツのドレスアップや改造したところって、ありますか?
JAFの定めるダートラ仕様です。安全装備のロールケージ、フルバケとハーネス(シートベルト)。クルマの下回りを保護するためのアンダーガード。未舗装を走行するためのサスペンション、LSD、ブレーキパッドです。ドレスアップでマフラーくらいは換えたいのですが、違反になってしまうので(笑)
――マフラーがノーマルでも、スイフトスポーツからは質実剛健なすごみを感じます。ここまで乗ってきて、すがっちさんの感じたスイフトスポーツの魅力はどこでしょう?
あの値段で完成された素性は、パッケージとして最高だと思います。あと当たり前ですが、修理用の純正部品に困らないのも助かっています。ミラージュでは苦労させられましたから(笑)。
かなり荒っぽい乗り方をしていますが、大きく壊れることなく頑張ってくれるタフなところに感謝していますし、カエルみたいに可愛い見た目は大好きですね。
――スイフトスポーツに乗っていて一番印象的なことはなんですか?
やっぱりダートラで表彰台に乗れたことですね。これはスイフトスポーツが頑張ってくれたからこそです。最近は勝てず、悔しい思いもいっぱいしています。スイフトスポーツも力を出し切れず、悔しく思っているのかもしれません。今では二人三脚で一緒に戦う、相棒のように思っています。
――クルマの気持ちが伝わること、なんとなく分かります。すがっちさんがダートラ競技に参戦されていることを、奥さんやご家族はどう思われていますか?
父がラリーをしていたほどですから(笑)。両親は私が出走するのを楽しみにしているそうで、時には競技会場まで荷物を運んでくれます。妻も都合があえばダートコースや競技会場まで同行し、タイヤ交換などを手伝ってくれます。家族の理解という点では、とても恵まれた環境にいますね。
――すがっちさんはスポンサーのシール等、そのままでスイフトスポーツを通勤やドライブに使用されています。職場での反応や街での視線に特別なものはありますか?
職場のみんなは私がダートラ競技をしているのを知っているので、驚かれることは少ないですね。でもステッカーが増えるたびに、クルマ好きの同僚から「また増えたの!? 次はどこのパーツ?」なんて反響はあります。
街での視線はそこまで気になりませんが、コンビニやサービスエリア、特にガソリンスタンドでは声をかけられますね(笑)
――SNSでもダートラ競技や練習風景が投稿の中心ですか?
いえ、特にこだわりはありません。ダートラについての話、スイフトスポーツのメンテナンス、ドライブで行ったところなどを投稿してます。
SNSを始めたきっかけは(SNSが)流行っているからと、情報収集のためです。ダートラ関連をのぞけば、みなさんの使い方と変わらないのではないでしょうか。せっかくなら、なにか面白いことや楽しいこと、いい成績の報告をしたいです。
――それでは最後に、すがっちさんとスイフトスポーツとの関係を一言であらわしたら、なんでしょう?
さっきもいいましたが、やはり相棒だと思っています。一緒に戦い、楽しい時はもちろん、苦しい時や悔しい時も共にしているので、戦友の方が近いかもしれません。これからも壊すことなく、ドライブにダートラに楽しく走り続けたいですね。
家庭と会社員、そしてダートラ活動という三足のわらじを、しっかりと両立する、すがっちさん。これからもスイフトスポーツと、様々な苦楽を共にし続けるのでしょう。満面の笑みを浮かべての優勝報告、お待ちしています!
【X(Twitter)】
すがっちさん
(文:糸井賢一)
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