S2000に魅了されたオーナーは、寝ても覚めてもクルマのデザインに夢中

  • ホンダ・S2000


物心ついた頃にはクルマ好きだったと話してくれたのは、27歳の時にS2000を愛車として迎え入れ、おおよそ2年の時が経ったという「wAtARuさん」。

大学院でクルマのデザインについて学び、卒業後に大手自動車メーカーに就職。その後、そのメーカーを辞め、現在はカーデザインに関するYouTube配信やオリジナルデザインのカーグッズなどを販売しているそうです。そんなwAtARuさんが、S2000を選んだ理由とは?

今回は、wAtARuさん×S2000のお話をお届けします。

――クルマに興味を持つようになったのは、いつ頃だったのですか?

  • ホンダ・S2000のリヤ

いつなんでしょう(笑)。両親が言うには1歳半くらいから、「クルマ〜クルマ〜」だったそうですが……。だから、ありきたりな答えになってしまうかもしれませんが、物心ついた時からなんですかね。

それが大人になった今では、衣食住的な生活の一部のような存在で、常にクルマについて考えているし、あって当然だし、“クルマの無い人生が考えられない”みたいな感じになってしまいました。

―――常に考えている、ですか。

はい。というか、子供の頃からそうだったかもしれません。例えば、家族で大阪に旅行に行ったことがあったんですけど、何をしたかは全く覚えていないのに、ホテルのロビーに置いてあった金のランボルギーニのことは覚えています。

ほかの記憶に関することも、誰とどんな話をしたかより、あの場所でマクラーレンが駐車場に泊まっていたとか、スポーツカーとすれ違ったとか、とにかく記憶の軸がクルマなんです(笑)。

学校もクルマのデザインを学ぶ課に通っていたということもあり、余計にそうなってしまったのかもしれません。

――そんなwAtARuさんは、どんなデザインが好きなのですか?

  • ホンダ・S2000の右タイヤ

ロータスやマクラーレンなど、趣味性の高いクルマのデザインが好みです。フェンダーの張り出し方やボディ造形を眺めていると、シンプルだけど美しく、局面的なラインをしていて見惚れてしまうといいますか。

ちなみに、それ以外のクルマがダメと言っているわけじゃなくて、あくまでも“好み”というだけです。

――では、愛車であるS2000の好きなデザインは?

  • ホンダ・S2000の右サイド

まずは、サイドから眺めた時に、FRなのでフロントのボンネットが長く低くて、フェンダーが目立たなく平らに見えるため、その分ホイールアーチの存在感が大きく感じられるところですかね。

加えて、フロントデザインもとてもシンプルで、ボディ曲線の美しさが前面に出るようなラインをしているのも好きです。僕のS2000は2005年式なんですけど、今だと安全性を考慮して絶対に出来ないデザインですよね。

あとは、オープンにした時にカッコよく見えるデザインと感じるのも、潔くて気に入っている箇所です。実は、愛車候補としてポルシェのボクスターも検討していたのですが、個人的に、これはクーペメインでカッコよく見えるようにデザインしあると感じたんです。

一方でS2000はクーペをつくっていないので、オープンカーにした時の見た目を追求してデザインしたんだな、という作り手のこだわりを感じました。

  • ホンダ・S2000の左サイド

2人乗りで乗車人数は少ないんですけど、荷物はトランク2個くらいなら余裕で積めるし、エアコンはオープンカーモードというのがあって、足元から暖かい風が出てくるので意外と快適なんですよ。

あとは、ホイールベースが2,400mmしかないので、最小回転半径が5.4mと使い勝手も充分だし、何よりオープンにして運転する時間が、僕にとってはとても大切な時間なんです。

――と、いいますと?

風を受けながらクルマと対話して、一緒に走っている感覚を味わえるというんですかね。家からスーパーまでの10分を運転しただけでも、不思議と頭の中がリセットされます。

例えるなら、スポーツをした後と同じような爽快感を得られるんです。

――何事もスイッチ切り替えのタイミングといいますか、そういうのがあることも大事ですよね。wAtARuさんは現在も、デザインに関する仕事をしていると伺いました

  • ホンダ・S2000

そうですね。実は、昨年から自分のブランドを立ち上げ、商品としてまずは小さいアイテムのデザインと販売を始めたんです。

大学院卒業後、大手企業でデザイナーとして働き始めたのですが、どうしても年功序列の大企業の中だと1人の裁量が小さくて自分には合わないと感じてしまって……。

もちろん、すごく勉強になりましたし、環境にも恵まれていたのですがデザインにこだわりたいという、自分の中で譲れない部分があったんですよ。それで、“自分が作りたい物を売る”ということを始めたんです。それを機に、YouTubeなどの色々なことに挑戦し、何とか軌道に乗り始めたのが現状です。

――YouTubeではどんなことを発信しているのですか?

冒頭でもお話ししたのですが、僕の頭の中は寝ても覚めてもクルマのデザインのことでいっぱいなんですよ。なので、クルマのデザイン解説など、とにかくクルマとデザインに関する動画をほぼ毎日発信しています。10分、長い時は20分くらい、ずっとデザインについて語っているんです(笑)。

初めは、誰が見てくれるのだろう?と思っていましたが、意外に視聴者さんが優しいし、反応して下さるので、楽しく続けられています。この場をお借りしまして、みなさん、ありがとうございます。

最終的な目標は、もっともっと自分でデザインしたものを世に出したいという夢があります。そうしたデザインしたものを通じてクルマってかっこいいよ!というのを、1人でも多くの人に伝えていくこと。これが僕の目標です。

  • ホンダ・S2000と紅葉

この記事では書ききれなかったくらい、他車種のデザインについても熱く解説してくれたwAtARuさん。いつか、wAtARuさんのデザインしたクルマが街を走るのを楽しみにしています!

【YouTbe】
wAtARu-車好きデザイナー[カーデザイン解説Ch.]

(文:矢田部明子 写真:wAtARuさん提供)

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