2024 WRC 第11戦 ラリー・チリ・ビオビオ レポート

  • 69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)


目次

1.スケジュール
2.チーム&ドライバーズ / コ・ドライバーズ
3.ランキング
マニュファクチャラーズランキング
ドライバーズランキング
4.レース 結果&レポート
・第1戦 ラリー・モンテカルロ 結果 レポート
・第2戦 ラリー・スウェーデン 結果 レポート
・第3戦 サファリ・ラリー・ケニア 結果 レポート
・第4戦 クロアチア・ラリー 結果 レポート
・第5戦 ラリー・ポルトガル 結果 レポート
・第6戦 ラリー・イタリア サルディニア 結果 レポート
・第7戦 ラリー・ポーランド 結果 レポート
・第8戦 ラリー・ラトビア 結果 レポート
・第9戦 ラリー・フィンランド 結果 レポート
・第10戦 アクロポリス・ラリー・ギリシャ 結果 レポート
・第11戦 ラリー・チリ・ビオビオ 結果 レポート
・第12戦 セントラル・ヨーロピアン・ラリー 結果 レポート
・第13戦 ラリージャパン 結果 レポート
5.WRCとは

第11戦 ラリー・チリ・ビオビオ レポート

ラリー・チリのグラベルステージは、路面コンディションがタイヤに対してかなり厳しいステージも多く、タイヤ選択およびマネージメントが非常に重要な一戦となった。今大会はWRCの規則により欧州圏外での事前テストが禁じられているため、ワークスチームは事前に現地でテストを行なうことができず、シェイクダウンで迅速かつ正確にクルマのセッティングを合わせ込まなければならない。

DAY1
サービスパークの南東エリアで3本のステージを、ミッドデイサービスを挟んで各2回走行。計6本のステージの距離は112.76km。ステージは流れるような中高速コーナーが続くフラットな路面のセクションと、道幅が狭いテクニカルな低速セクションが混合。路面は全体的にドライコンディションとなり、硬く締まった路面を大量のルースグラベルが覆う、非常に滑りやすい区間も多くあった。
この日は早朝気温が低く、午前中のセクションはRally1の全ドライバーが5本のソフトタイヤを選択してグラベルステージに臨み、エバンスはSS2でベストタイムを記録、午後の再走ステージではタナックと激しい首位争いを展開し、結果3秒のリードを築き首位に立った。
ロバンペラは、SS3でベストタイムを記録したが、SS4でのスピンによりタイムロスを喫し総合3位に、オジエはSS3で土手にヒットしたことでタイヤにダメージを負い交換作業のためタイムロス、3本のベストタイムを刻んだが総合9位となった。
GR YARIS Rally1 HYBRIDは、全6本のステージのうち5本でベストタイムを記録するなど、一日を通して速さを発揮した。

DAY2
サービスパーク南側、ビオビオ川の西側エリアで3本のステージを各2回走行。計6本のステージの距離は139.20kmと三日間で最長の一日。グラベルステージは全体的によりテクニカルで、タイヤの摩耗にとって厳しい路面が多くあるなど、デイ1とやや異なる特徴を持ち、さらに、雨や濃い霧によって非常に難しいコンディションでの戦いになった。
エバンスは、朝からタイヤを上手くマネージメントし好調を維持していたが、SS11で濃霧により視界が大幅に悪化した中走行することとなり、ベストタイムのライバルから24.1秒も遅れ、その結果2番手タイムのロバンペラが首位に、エバンスは総合2位となりこの日を終えた。
なお、SS8で岩に当たり右フロントサスペンションを破損したオジエは、残念ながらデイリタイアとなっている。

DAY3
サービスパークの南側、ビオビオ川の西側エリアで2本のステージを各2回走行。合計距離は54.80kmと三日間で最短の一日。この日のステージは全体的にウェットコンディションとなり、前日に続き濃い霧に覆われたステージもあるなど、最後まで難しいコンディションでの戦いになった。
4本のステージのうち3本で2番手タイムを記録するなど速いペースを維持したロバンペラが、第8戦ラリー・ラトビア以来となる今シーズン4勝目を獲得。また、エバンスが総合2位でフィニッシュし、TOYOTA GAZOO Racing WRTは今シーズン5回目の1-2フィニッシュを飾った。
全てのステージでベストタイムを記録したオジエは、総合36位ながらもスーパーサンデーを制した。
TOYOTA GAZOO Racing WRTは、土曜日終了時点での総合順位に対して与えられるポイントに加え、スーパーサンデーでオジエが1位、ロバンペラが2位となったことでフルポイントを獲得。さらに、最終のパワーステージでもオジエがベストタイム、ロバンペラが2番手タイムを記録した結果、今シーズンから導入された現行のポイントシステムにおいて、獲得可能な最大マニュファクチャラーズポイントである、55ポイントを初めて獲得したチームとなった。
なお、今大会キャリア2回目のトップカテゴリーに挑戦したパヤリは、終始非常に安定したペースで走行し、総合6位でフィニッシュしている。

≪豊田 章男 (TGR-WRT会長)≫
カッレ、ヨンネ、優勝おめでとう!
エルフィン、スコット、ワンツーフィニッシュをありがとう!
セブ、ヴァンサン、パワーステージトップをありがとう!
チームのみんな、1戦で獲れる最大ポイントの55得点をありがとう! みんな最高!
フィンランド、ギリシャと辛い結果が続いて、みんなも本当に苦しかったと思います。腐らずに改善を続けてきてくれた全員の努力が結果に表れて本当に良かった! 追う立場で迎える終盤戦をみんなで楽しもう!
ラリージャパンが本当に楽しみです!

MORIZO on the Road