2024 WRC 第13戦 ラリージャパン レポート

  • 33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)


目次

1.スケジュール
2.チーム&ドライバーズ / コ・ドライバーズ
3.ランキング
マニュファクチャラーズランキング
ドライバーズランキング
4.レース 結果&レポート
・第1戦 ラリー・モンテカルロ 結果 レポート
・第2戦 ラリー・スウェーデン 結果 レポート
・第3戦 サファリ・ラリー・ケニア 結果 レポート
・第4戦 クロアチア・ラリー 結果 レポート
・第5戦 ラリー・ポルトガル 結果 レポート
・第6戦 ラリー・イタリア サルディニア 結果 レポート
・第7戦 ラリー・ポーランド 結果 レポート
・第8戦 ラリー・ラトビア 結果 レポート
・第9戦 ラリー・フィンランド 結果 レポート
・第10戦 アクロポリス・ラリー・ギリシャ 結果 レポート
・第11戦 ラリー・チリ・ビオビオ 結果 レポート
・第12戦 セントラル・ヨーロピアン・ラリー 結果 レポート
・第13戦 ラリージャパン 結果 レポート
5.WRCとは

第13戦 ラリージャパン レポート

ステージの路面は全体的にフラットで舗装のコンディションは悪くないが、秋季ということで路面に落ち葉や枯れ枝があるセクションもあり、そのような場所では著しくタイヤのグリップが低下する。また、山岳ステージは道幅が狭い上に排水用の側溝があるセクションも多く、コーナリングラインが乱れてタイヤが側溝に落ちるとパンクを喫する可能性が高く、場合によってはサスペンションが破損して走行不能となってしまうことも。そのため、ドライバーには正確なドライビングが求められた。

DAY1
愛知県豊田市の豊田スタジアム内で全長2.15kmのスーパーSS「トヨタスタジアムSSS1」が行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)の
勝田はドライバー選手権首位のヌービルと対戦。大勢の観客が見守る中、ヌービルよりも先にフライングフィニッシュを通過し、トップと0.8秒差の3番手タイムを記録。また、エバンスは0.9秒差の4番手タイムを、オジエは2.2秒差の5番手タイムを記録し、TGR-WRTは全ドライバーが順調に競技初日を走破した。

DAY2
この日より山岳地帯の山道で一日を通しての戦いがスタート。愛知県の道を舞台に計8本 距離126.00kmのステージが行なわれ4日間で最長の一日となった。午前中は青空が広がる爽やかな天気となり、路面の多くはドライコンディションに。しかし森の中の道の一部は湿っており、グリップがかなり低いセクションもあった。午後になると雲が増え、一時的な弱い雨によりステージの一部路面はウェットコンディションとなった。
エバンスは、新ステージとなるSS4「シンシロ1」、SS7でベストタイムを記録。
また、一日の最後に岡崎市中央総合公園で2本連続で行なわれたスーパーSS「オカザキSSS」の2本目で、勝田、フォルモーとベストタイムをシェアするなどし、総合2位にランクアップ。
勝田とオジエはともにSS2でパンク。オジエはステージの途中で停車してタイヤ交換を行なったため約2分を失い、勝田はスローパンクチャーを喫したが、タイヤがホイールのリムから外れた状態でステージを最後まで走り切り約1分を失った。
その後、勝田はSS8とSS9で連続ベストタイムを記録し総合4位で、オジエはSS3でのベストタイムを含む6本のトップ3タイムを記録し総合5位で大波乱の展開となった一日を終えた。

DAY3
岐阜県が主戦場となり今年新たに恵那市の笠置山周辺に設けられた「マウント・カサギ」、昨年と変わらぬ「ネノウエ・コウゲン」、前年大会と多くの部分が重なる「エナ」という3本のステージを各2回、一日の最後には豊田スタジアムで2回目のスーパーSSが行われ、計7本距離103.87kmのステージを走行した。SS12については数台が走行した時点で安全上の理由からキャンセルとなり、未走行の選手たちに対しては救済タイムが与えられることとなった。
この日も好天に恵まれ、ステージの路面コンディションは概ねドライ。しかし、森の中の道は濡れている場所もあるなど、引き続き難しいコンディションでの戦いとなった。
エバンスはSS10、SS12でベストタイムを記録。午後の再走ステージでは思うようにタイムが上がらない中、総合2位を堅持。オジエは2本のベストタイムを記録するなど着実に順位を上げ総合3位に、勝田はSS12でスピンを喫したがこの日は確実性を優先し走行、総合5位で走り切った。

DAY4
愛知県の豊田市と岡崎市で「ヌカタ」、「レイク・ミカワコ」の2本のステージを各2回走行。その途中で豊田スタジアムでの3回目のスーパーSS、「トヨタスタジアムSSS3」が行われ、計5本のステージの距離は70.57kmとなった。
最終日も素晴らしい天気に恵まれ、ステージの路面は一部区間を除いて全般的にドライコンディションに。2024年シーズンを締めくくるのにも相応しい一日になった。
一本目のSS17でタナックがコースオフを喫しリタイア、これによりティエリー・ヌービルの初ドライバーズタイトル獲得が決定。また、タナックのリタイアによりエバンスが首位に、オジエが総合2位に、勝田が総合4位に順位を上げ、選手権争いは接戦に。
今シーズン最後のパワーステージでエバンスが3番手タイムを、オジエがベストタイムをマークしたことにより合計8ポイントを獲得。対するヒョンデ勢はヌービルが2番手タイム、アンドレアス・ミケルセンが5番手タイムだったことで合計5ポイントを加算した。
その結果、TGR-WRTが3ポイント差で選手権首位に立ち、逆転でタイトルを獲得。TGR-WRTとしてはこれで4回目、トヨタとしては通算8回目のマニュファクチャラーズタイトルとなり、WRC歴代2位の記録でシトロエンと並んだ。
レース結果は、エバンスが総合優勝、オジエが総合2位、勝田が総合4位となり、
サポート選手権のWRC2では、GR Yaris Rally2のサミ・パヤリ/エンニ・マルコネンが2位でフィニッシュ。今シーズン7戦にエントリーして3勝を記録したパヤリは、ライバルに3ポイント差をつけて見事初タイトルを獲得した。