大学自動車部ってどんなところ? -名古屋工業大学編-
全国の大学や専門学校などの自動車部におじゃまして、日頃の活動風景やご自慢部員をレポート。今回は、名古屋工業大学 体育会自動車部を訪問。工業系の大学らしい特徴はあったりするのでしょうか。さっそく取材してきました。
★名古屋工業大学体育会自動車部プロフィール
●部員数:男子 12名 ※部員数は2014年3月現在
●部車:ホンダ CR-X、ホンダ シビック
●活動内容:毎週日曜日のミーティングを除いては、基本的に自由活動。毎年5月に開催される全中部学生ジムカーナ選手権大会、8月に開催される全日本学生ジムカーナ選手権大会での勝利を目指して活動中。
●活動実績:平成20年 全中部学生ジムカーナ選手権 優勝
●平成22年 全中部学生ジムカーナ選手権 優勝
●平成25年 全中部学生ジムカーナ選手権 優勝
かつては研究の側面も強かった自動車部
今回訪れた名古屋工業大学は、産業基盤を創り上げ、その中心的役割を果たす産業人を育成することを目的に、1905年に名古屋高等工業学校として創設。これまでにモノづくり日本に欠かせない人材を多数輩出してきました。
さて、名古屋工業大学体育会自動車部ですが、メインキャンパスから少し離れたところで活動しています。取材には前部長の金岡君と部長の石井君が協力してくれました。
主な活動は、日曜日に集まって部のクルマの整備などを行うこと。大会への参加は、全中部学生ジムカーナ選手権大会と全日本学生ジムカーナ選手権大会がメインイベントで、大会が近くなると予算と相談しながら、福井県のスキー場(オフシーズンに駐車場を解放)まで練習に行くそうです。
自動車部の歴史を尋ねてみると、不明との回答が…。なんと現役の部員たちも正確な創立年度はわからないほど、古くから活動していたようで、部室にあった昭和中頃の資料を見せてもらうと、ダットサンなど懐かしの名車の白黒写真が。
聞くところによると、当時はバリバリの体育会で、合宿を行って体も鍛えていたとのこと。また研究の側面も強く、遠方までドライブをして燃費などクルマに関するデータを記録。データを収集して卒業研究につなげていた部員もいたようです。
なるほど、さすが工業大学!現在は純粋にレースでの勝利を目指す部活とのことですが、先輩たちの研究・功績が現在の自動車社会に生かされているのかもしれませんね。
国公立は予算がない!だから創意工夫して、勝つ!
そんな自動車部にとってちょっとした悩みが、予算不足。これは国公立大学の自動車部にとって共通の悩みかもしれません。部のクルマの部品代や遠征費は、みんながバイト代からカンパして捻出。それでも足りないものは先輩からのお下がりなどで対応しているようです。そういったなか中部圏のレースでの成績は立派なもの。ここ5年を振り返っても優勝は3回と見事です。
優勝の要因は、予算がないなかで高めた整備技術とドライバーの腕と、スペックでなら中部圏で負けていないという部のクルマの存在にあるようです。部のクルマの「CR-X」は、先輩たちの代から受け継がれているクルマで、かなり年季が入っています。ガタがきている箇所も多いそうですが、その都度整備して大会に臨んでいるとか。
さすがに全日本の大会では、予算のある私大が強くてなかなか上位に食い込むのは難しいそう。しかし中部圏では常にトップでいるのが部の目標とのこと。ちなみにライバルの大学を聞くと、名城大学や愛知工業大学の名前が。「友人が愛知工業大学にいるから、個人的には彼らに負けたくない気持ちが強いかもしれません(笑)。同じ工業系の学生としても」とは金岡君。
工業大学のプライドを持って、これからも好成績を残し続けてもらいたいです。
目指すは中部圏でNo.1!新しい仲間も募集中!
せっかくなので自動車業界について感じることも聞いてみました。
まずは金岡君。「トヨタ 86(ハチロク)がもう少し安ければ……。運動性能は抜群ですし、試乗した感触も最高でした。でも学生にはちょっと手が届かないかな。カー量販店のピットでバイトをしているのですが、86のオーナーはほとんどが年配の方。乗り出しで200万円を切るくらいなら僕も無理して買ったかもしれません」
続いて石井君。「MT(マニュアル)車がもっと登場するといいですね。最近は増えてきましたが、さらに増えたら運転の楽しさも広がると思う。その点でマツダはMT車を積極的に発表している印象があり、僕らのような"クルマ好き"のことを考えてくれている気もします」
なるほど、学生視点からの貴重な意見、ありがとうございます。最後に今後の目標を石井君に尋ねてみました。
「中部圏で勝ち続けるのはもちろんですが、部員を増やすことも目標。実は1年生がいなくって……。勧誘のための仕掛けをいろいろと仕込んでいるところです。もしクルマに興味がある人がいたら、一度遊びに来てください。クルマと過ごす生活は本当に楽しいと思いますよ」。
ちなみに金岡君は大学主催の部活紹介がキッカケで、石井君はクルマに興味がなかったのですが、機械いじりが好きで入部したそう。2人とも、今では一生クルマと関わっていきたいと話します。
アイデアと技術で予算不足をカバーし、中部圏で常にトップを目指す、志の高い自動車部でした。
関連サイト
【HP】名古屋工業大学体育会系クラブ自動車部
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