大学自動車部ってどんなところ? -関西大学編-
全国の大学や専門学校などの自動車部におじゃまして、日頃の活動風景やご自慢部員をレポート。今回は、関西大学体育会自動車部を訪問。クルマに熱い情熱を注ぐメンバー達が出迎えてくれました。
★関西大学自動車部プロフィール
●部員数:男子 4名 ※部員数は2014年5月現在
●部車:ホンダ CR-X ※ジムカーナ用
ホンダ シビック ※ダート用
●活動内容:毎週水曜日にミーティング。週末は整備と練習。コーチと監督も同部のOBとのこと。年5回開催される全関西の大会で好成績を収め、総合優勝することが今年の目標。
●活動実績:平成26年度 全関西学生ダートトライアル選手権大会 団体優勝
●平成26年度 全関西学生ジムカーナ選手権大会 団体3位、個人優勝
など
ファミリー的な絆の強さが持ち味
今回訪問した関西大学は、1886年に大阪西区京町堀の願宗寺において設立された関西法律学校が前身です。1922年、法学部と商学部の2学部を有する大学として国の認可を受け、大阪府吹田市千里山に学舎を新設し発足しました。近年では、学びの体制に力を入れる一方で、スポーツ面でも話題を振りまき、フィギュアスケートの高橋大輔さんと織田信成さんを輩出したという功績は見逃せません。
千里山キャンパスには、法、文、経済、外国語などの文系学部と、システム理工・環境都市工などの理系学部、大学院、関西大学第一高等学校、中学校、幼稚園などがあり、実に広大です。緑も豊かで、生徒が集う芝生の広場では遊びに来た近所の子ども達とふれ合う光景も見られます。
お目当ての自動車部のガレージは、千里山キャンパスからクルマで10分ほどの場所にありました。取材に対応してくれたのは、部長の青木君をはじめ、全部員の皆さんです。
全部員と言っても、実は4名。「常に小所帯ですが、ファミリー的な絆の強さはどこにも負けません」と青木君は力強く話します。
青木君は、クルマに関する知識や運転・整備のノウハウはもちろん、部のスタンスや活動内容、年間の流れ、サーキットでのマナーなどを後輩に細かく指導。部長というよりは兄貴的なやさしさで部を牽引してきました。この青木君のがんばりに胸を打たれた後輩一同は、皆彼を慕っています。
活動は、毎週水曜日の3時限終了後にミーティングを行い、土日に整備と練習を実施。時には部室でクルマ談義に夢中となって、帰宅が夜遅くなるということもありますが、3回生の根木さんは、「これが仲間と過ごす楽しさがもっとも感じられる時間」と話します。
慢性的な部員不足。時には開き直りも大切!
- ガレージの敷地内には、レース用車両以外にもクルマがたくさん!部品調達用として保管しています
小所帯にもメリットがありますが、逆にデメリットもあります。それは金銭的な問題。部員が少ない分、集まる部費も圧倒的に少ないのです。学校からいくらか援助されますが、それでも足りず、満足に活動するには皆のバイト代を部費として補てんするしかありません。
マイカー所有の部員はパーツ代やガソリン代も捻出しなければならないので、バイト代はみるみるうちに消えていくそう。部車用のパーツを購入する時は、月々4000円の部費とは別に臨時で青木さんが購入費を集めます。
例えば、タイヤは1セット約8万円。これは、部費の年間合計金額の約1/3にあたります。タイヤは不可欠なパーツなので、購入しない訳にはいきません。
そこで部では、部費を少しでも節約するため、今年からコーチを通してダンロップにスポンサードを依頼。「協賛についていただけたので、どのレースもいっそう負けられません!」と3回生の西口君のコメント。また、試合前にサーキットを借りて練習をする時は、10万単位でお金がかかるので、交流のある別の大学の自動車部に声をかけて、割り勘でサーキットが借りられるよう、うまくやりくりしています。
「部員が少ないので、レースに出られるチャンスは大きいと思います。一番の若手ですが、そこは先輩たちに食い込めれば」と1回生の奥田君が語れば、「開き直って活動を楽しむようにも心がけています。決して弱気にはなりません。勝利にはとことんどん欲ですし」と青木君が続けます。さすが主将と思わせる頼もしさに満ちたコメント。
ですが、たくさん部員のいる他大学の自動車部を大会で見かけると、「ちょっぴりうらやましい」と本音も。
現在、追い風ムードが最高潮。目指せ、全関西総合杯の優勝
- 荒天の中でのアタック。どんな時でも平常心を保って、練習の成果を発揮するよう努めています
- 「表彰台のトップに立つと、レースまでの苦労が一発で報われますね!」と青木君
- こちらが夜な夜な(!?)熱い語り合いが繰り広げられる部室です
「実は、部員が僕ひとりの時期があったんです・・」と青木君が衝撃的な発言。それは青木君が2回生に上がる直前のタイミングでした。その春は意地でも部員を確保しなければならず、さすがに青木君も頭を悩ませたそう。
幸い高校時代からバイクやクルマが大好きな西口君や、家のクルマがスポーツセダンで父親も元自動車部だった根木君など、"サラブレッド"がこぞって入部。さらに今年は「F1大好き!」な奥田君も入部し、より層を厚くしました。
メンバーの質に恵まれてきた近年は、平成25年度第2回全関西学生ダートトライアル選手権大会で団体3位、平成25年度 第1回全関西ジムカーナ選手権大会では個人準優勝と団体4位入賞。今年については、関西学生ダートトライアル選手権大会で団体優勝を獲得し、全関西学生ジムカーナ選手権大会で団体3位、同じ大会で青木さんが個人で優勝に輝いています。
「まさに追い風が吹いている状態」と手応えを感じている青木君。目標を語ってもらうと、「全関西の総合杯で優勝すること」と気合い十分。総合杯とは、全関西大会のジムカーナ、ダート、フィギュアの3種目の年間総合成績で勝敗が決定。「総合杯での優勝は関西の大学自動車部なら、みんな欲しがっているビッグタイトル。僕らは強い絆を活かしたチームワークと負けん気の強さ、そして現在の追い風ムードをフル活用して臨みたいです」。最後に胸熱なコメントを残してくれた青木君。すると、その隣に座る根木君が「今年の全関西フィギュアでは昨年1位だった青木さんを抜きます!」と下剋上宣言です。
どこまでも熱く、少数精鋭という言葉がピタリと当てはまる関西大学自動車部でした。
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