大学自動車部ってどんなところ? -京都産業大学編-

全国の大学や専門学校などの自動車部におじゃまして、日頃の活動風景やご自慢部員をレポート。今回は、京都産業大学体育会自動車部を訪問。来年度50周年を迎える、学内イチの歴史ある部です。

京都産業大学自動車部プロフィール

●部員数:男子8名 ※部員数は2014年7月現在

●部車:ホンダ シビックEG6 ※ジムカーナ用
    ホンダ インテグラDC2 ※ダート用

●活動内容:活動は水・土曜の週2日。部の競技車両整備が中心で、時間のある時はマイカー整備も実施。試合前は立命館大学や同志社大学と合同でサーキットでの練習に取り組むことも。

●活動実績:平成26年度 第1回全関西学生ジムカーナ選手権大会 男子団体8位
●平成26年度 全関西学生自動車運転競技選手権大会 男子小型乗用の部9位
など

3回生ではなく、2回生が部を運営

写真中央がエスカレーター。その横の階段状に設置されたウッド造りの休憩スペースは学生たちの憩いの場です
禁断の男子トークが繰り広げられる部室。「イマイチ片付いていませんが(笑)、快適です」と吉川君
部長の大西君。トミカのコレクターで、自宅には子どもの頃から集めたトミカが何と1万台もあるとか
年季の入ったトロフィー。「ひとつでもいいから自分たちのものを飾りたい」と大西君

1965年に創立された京都産業大学。創立当初は、経済学部と理学部のみでしたが、現在は9学部、大学院10研究科(うち1科は通信教育課程)が設置された総合大学となっています。2015年には創立50周年を迎え、現在記念事業計画も進行中です。

山の斜面に建てられた大学とあって、キャンパス内はエスカレーターを利用した“タテ”への移動が主流。地の利を生かして設置された「神山天文台」は、多彩なイベントも開催され、一般にも開放されています。

キャンパス脇には、球技場や総合体育館、野外ステージなどがありますが、自動車部のガレージは、キャンパスからクルマで10分ほど北に進んだ総合グラウンド内にあります。さっそくお邪魔してみると、フィギュアの練習が十分にできそうなくらい広い敷地にガレージと部室が。そして、やや遅れて部長の大西君がマイカーであるアルファロメオ156でさっそうと登場。 

温厚な部長の大西君と、快活な吉川君がインタビューに応対してくれました。ガレージ奥の部室に案内され、中にあったおびただしい数のトロフィーの姿に驚きを示すと、「残念ながら、全部ずいぶん昔の代の功績なんです」と大西君。すぐさま吉川君が「今の代は成績が芳しくないんです」と教えてくれました。

聞けば、ふたりはともに2回生。他大学の自動車部では部長や現役の主力選手は経験豊富な3回生がほとんど。「入部して1年しかキャリアを積んでいないボクらが先頭に立っているので、あらゆる点で不利に働いてしまう」と大西君が悩みを打ち明けるところから本格的にインタビューが始まりました。

本年度は忍耐の年。焦らず体制を強化

吉川君は役職には就いていませんが、部内のムードメーカーという重要な立場にあります
1回生の松本君。吉川君とのトークのコンビネーションは抜群。2回生に負けない整備知識も自慢です
ガレージには初代学長が所有していた1950年代製造のベンツ170DSの姿が!博物館にあってもおかしくありません
工具はフックに吊るして管理…といきたいところですが、ところどころ抜けています。「お恥ずかしいです」と大西君

大西君と吉川君が入部した当時は、ひとつ上の2回生が不在。そのまま1年の月日が経ったため、彼らが2回生になった際に、必然的に部の牽引役を担うことになったのです。

「1年経ってようやく自動車部の流れがつかめたばかり。そこでいきなり部の運営をするわけですから非常に大変です」と吉川君。大西君は部長として部をどんな方向に導くべきかをまだ模索中。ゆえに「ボクがフォローしなくては!」と吉川君は語気を強めます。

一方、大西君に話を振ると「じっくり下地をつくっていきたい」と慎重に体制整備をしていく考え。「もちろん表彰台に立ちたいのは山々。ですが、そのためには練習ができる環境を整えないといけませんし、予算の確保や車両の整備知識の共有なども今以上に必要になってきます」と冷静に部の“今”を分析しています。

「何事を行うにも最初が肝心。いきなりレースに出て、いい結果が出るとは思いません」と大西君。「僕らが3回生に上がるまでのこの1年は、忍耐の時と割り切って下地づくりに力を入れるべきだと思うんです」と真剣な表情で気持ちを語ってくれました。今年、体制が整えば、次年度以降は今の1回生もより安心して活動できます。

今年は、中止していた夏合宿も奥伊吹モーターパークで開催予定とのこと。このほか練習会の数も徐々に増やし、これまでのマイナスを挽回する勢いです。さらに、先輩世代が出場していた「京都EVエコドライブラリー」や「全日本エコドライブチャンピオンシップ」といったエコ系レースにも出場意欲を見せるなど、やる気のオーラがひしひしと感じられます。

セールスポイントは結束力と底抜けの明るさ

クルマをさわっている時のさわやかな笑顔は、どの自動車部でも共通のようです
毎年3月に開かれる追い出し走行会でのひとコマ。立命館と同志社の自動車部も招いて盛大に開催
試合前となると、整備は日が落ちても続きます。「この後みんなで食べるご飯がまたウマいんです」と吉川君
この2人が中心となって京産大自動車部は生まれ変わります!

本年度は厳しい船出となった大西部長率いる京産大自動車部。まだまだ前途多難のムードは払しょくし切れません。しかしそこは、自慢の結束力と底抜けの明るさで乗り切りたいと意気込んでいます。

最低限のマナーが遵守されていれば、先輩と後輩はまるで友達のような付き合い方。吉川君の話に1回生の松本君が軽快なツッコミを入れるシーンを取材時に何度も見かけました。

部室は夜8時まで使えるとのことで、車両整備が夕方に終われば、そこから仲よしトーク会が幕開け。途中でお腹が空けば、近所のラーメン店に場を移し、トークの後半戦がスタートします。

遠征試合の前夜は、部室が24時間開放となるので、鍋パーティを開いて景気を付けてからサーキットに向かうそう。「この鍋パーティを楽しみにし始めた部員もいる」と吉川君。「1回生は少ないので、さみしい思いはさせたくない。だから部活動以外でも、キャンパス内で見かければ、どんどん声をかけてやります」と頼れる兄貴の風格も感じさせます。部員同士で出かけることも多く、この取材の後も三重県四日市市までドライブに行ったことが部のTwitterでつぶやかれていました。

「人数はたくさんいませんが、本当に部員には恵まれたと思っています。家族的というか、このメンバーだから続けていきたいと思えるんです」と大西君が締めくくりのコメントを述べ始めると、「皆となら何をやっていても楽しいな!」と間髪入れずに吉川君。思わず苦笑いの大西君ですが、そこには吉川君を慈しむ菩薩のような笑顔がありました。

今年は快進撃を実現するための準備期間。体制が強化された時、京産大自動車部は関西の大学自動車部界をにぎわす台風の目となるかもしれません。


関連サイト

【HP】京都産業大学自動車部
【Blog】 京都産業大学自動車部
【Twitter】 京都産業大学自動車部

[ガズー編集部]

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