【連載全15話】第1話 ローバー2000…「欧州カー・オブ・ザ・イヤー」受賞車特集
2021年3月、新型トヨタ・ヤリスが「欧州カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。これに関連して、欧州で最も権威ある自動車賞のひとつとされている同賞の歴代受賞車の中から、特に話題性の高い15車種をピックアップし紹介します。
ローバー2000
記念すべき初回の欧州カー・オブ・ザ・イヤー(1964年)に輝いたモデル。今ではブランド/モデル名としてのランドローバー/レンジローバーにその名を残すのみだが、かつてはアッパーミドルサルーンを得意とする自動車メーカーだったローバー。そのローバーが1963年にリリースした2000(コードネームP6)は、“スモール・ロールス・ロイス”と呼ばれるほど上質で保守的といわれていたローバーのイメージを一新した、進歩的なサルーンだった。
高剛性を誇るモノコックボディーに、フロントがコイルスプリングを前後方向に水平配置した特殊なリンク式、リアがド・ディオンという凝った設計のサスペンションを備え、卓越した操縦安定性と乗り心地を両立。エンジンは2リッター直4 SOHCのシングルキャブ仕様だったが、入念なつくりの代償としてかさんだ車重に対してアンダーパワーと評されたため、1965年にツインキャブ仕様が加えられた。
1968年には基本的に同じボディーにゼネラルモーターズから生産設備ごと買い受けたオールアルミ製の3.5リッターV8 OHVエンジンを積んだ3500を追加。さらに1973年には2000のエンジンを2.2リッターに拡大するなどして1976年までつくられた。なお、同年に登場した後継モデルの新型3500(コードネームSD1)は、アッパーミドル級には珍しくテールゲートを備えたサルーンで、こちらも1977年に欧州カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。
[ガズー編集部]
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