【連載全15話】第9話 ルノー・メガーヌ/メガーヌ セニック…「欧州カー・オブ・ザ・イヤー」受賞車特集

2021年3月、新型トヨタ・ヤリスが「欧州カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。これに関連して、欧州で最も権威ある自動車賞のひとつとされている同賞の歴代受賞車の中から、特に話題性の高い15車種をピックアップし紹介します。

ルノー・メガーヌ/メガーヌ セニック

ルノー19の後継となる欧州Cセグメントのモデルがメガーヌ。1995年に5ドアハッチバックと3ドアハッチバッククーペがデビューし、翌1996年に4ドアセダンと2ドアカブリオレ、そしてプラットフォームを共有するMPV(ミニバン)のメガーヌ セニックを追加設定。1997年にシリーズ全体が欧州カー・オブ・ザ・イヤーに輝いた。ミニバンの受賞は、これが史上初だった。

シリーズに共通するのは、当時ルノーのデザイン部門を率いていたパトリック・ルケマン氏による楕円(だえん)をモチーフとするスタイリング。なかでもメガーヌ セニックはワンモーションフォルムと呼ばれる、グラスエリアの広いモノスペースデザインが特徴だった。ミニバンとはいえ5人乗りだが、3人分の後席はそれぞれ独立して前後スライドおよび脱着が可能で、多彩なシートアレンジを誇った。

パワーユニットは1.4リッター/1.6リッター/1.8リッター/2リッターのガソリンおよび1.9リッターのターボディーゼルなどで、トランスミッションは5段MTまたは4段AT。機構的にはオーソドックスだが、後年、メガーヌ セニックにはフランス車としては珍しいフルタイム4WD仕様が加えられた。

1998年に5ドアワゴンを追加した後、1999年にマイナーチェンジ。予想外のヒットとなったメガーヌ セニックは単にセニックを名乗るようになった。メガーヌは2002年、セニックは2003年にフルモデルチェンジ。後者の成功は欧州市場に小型MPVというカテゴリーを生んだ。

[ガズー編集部]

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