【連載全18話】第2話 シンガー・ガゼル & 日産ガゼール…なぜか車名がかぶってる!“同名異車”のクルマ特集
世界でこれまで販売されてきたクルマを見ると、同じ名前のモデルがちらほら……。今回の特集では、そんな「メーカー・ブランドは違えど名前が同じクルマ」をピックアップ。週替わりで紹介します。
シンガー・ガゼル & 日産ガゼール
ガゼル(gazelle)とは、アフリカや西アジアに生息する、カモシカに近いウシ科の動物。それを先に名乗ったのは、1956年に誕生したシンガー・ガゼルだ。シンガーはかつて英国に存在したルーツグループのブランドで、ルーツはシンガーのほかにヒルマン、サンビーム、ハンバーというブランドを抱えていた。
ガゼルは日本でもいすゞがライセンス生産したヒルマン・ミンクスの兄弟車で、内外装を高級化したミンクスのボディーに、独自の1.5リッター直4 SOHCエンジンを積んだサルーンだった。だが1958年にはミンクスと同じ1.5リッター直4 OHVエンジンに換装。マイナーチェンジを重ねた後、1967年にフルモデルチェンジされたが、1970年に生産終了となり、シンガーブランドも消滅した。
それから10年近くを経た1979年に登場したのが日産ガゼール。カナ表記は若干異なるが、英語では同じgazelleである。同時にフルモデルチェンジされた3代目シルビア(S110)の販売店違いの双子車となる、1.8リッター/2リッター直4 SOHCエンジン搭載のスペシャルティカーだった。当初はノッチバックの2ドアハードトップのみだったが、遅れて3ドアハッチバッククーペを追加設定。1982年にはハードトップボディーに2リッター直4 DOHC 16バルブエンジンを積んだ2000RSも加えられた。
1983年、シルビアと共に世代交代して2代目(S12)に。初代と同様、ノッチバックの2ドアクーペと3ドアハッチバッククーペが存在するボディーは、新たにリトラクタブルライトが採用された。1986年にシルビアがマイナーチェンジを受けた際にガゼールは販売終了。その名は2世代、約7年の寿命だった。
[ガズー編集部]
【連載全18話】なぜか車名がかぶってる!“同名異車”のクルマ特集
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第1話 ジャガー・マーク2 & トヨタ・マークII
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第2話 シンガー・ガゼル & 日産ガゼール
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第3話 シボレー・モンテカルロ & ランチア・モンテカルロ
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第4話 MGミジェット & ダイハツ・ミゼット
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第5話 リライアント・リーガル & ビュイック・リーガル
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第6話 マセラティ・ボーラ & フォルクスワーゲン・ボーラ
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第7話 トヨタ・コルサ & オペル・コルサ
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第8話 トライアンフ・トレド & セアト・トレド
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第9話 リライアント・セイバー & ホンダ・セイバー
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第10話 マセラティ・ミストラル & 日産ミストラル
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第11話 リンカーン・コンチネンタル & ベントレー・コンチネンタル
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第12話 ボクスホール・クレスタ & トヨタ・クレスタ
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第13話 マーキュリー・モンテゴ & オースチン/MGモンテゴ
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第14話 ウーズレー・ホーネット & AMCホーネット
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第15話 ハンバー・セプター&トヨタ・セプター
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第16話 AMCアンバサダー & ヒンドゥスタン・アンバサダー & オースチン・アンバサダー
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第17話 DKWモンツァ & シボレー・モンザ & オペル・モンザ & フェラーリ・モンツァSP1/SP2
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第18話 ビュイック・センチュリー & トヨタ・センチュリー