【連載全18話】第5話 リライアント・リーガル & ビュイック・リーガル…なぜか車名がかぶってる!“同名異車”のクルマ特集
世界でこれまで販売されてきたクルマを見ると、同じ名前のモデルがちらほら……。今回の特集では、そんな「メーカー・ブランドは違えど名前が同じクルマ」をピックアップ。週替わりで紹介します。
リライアント・リーガル & ビュイック・リーガル
「王の、王にふさわしい、堂々たる、荘厳な」などを意味する英語であるリーガル(regal)。先にこれを冠したのはリライアント・リーガル。リライアントは、日本の軽自動車のように税制面などで優遇措置のある三輪車を1930年代からつくっていたイギリスの小メーカーである。
リーガルは1953年のデビュー以来、同社の主力車種だったが、1962年にフルモデルチェンジを受けてリーガル3/25(写真)となった。フォード・アングリア風のクリフカットのルーフを持つFRP製モノコックボディーに、新開発された総アルミ製の600cc直4 OHVエンジンを搭載。セダンのほかワゴン、またコメディー『Mr.ビーン』に登場することで知られるようになったパネルバンが存在し、1972年までつくられた。
本来の意味とは逆の、軽便な小型車にその名を冠したリライアント版に対し、「名は体を表す」ということわざを地で行くビュイック版のデビューは1973年。それまでのスカイラークに代わってこの年に登場したセンチュリーをベースとしており、ビュイックのインターミディエートの最上級モデルと位置づけられた。初年度は中間サイズとはいえ全長5.3m以上、全幅2mという堂々たるボディーに5.7リッター(オプションで7.5リッター)のV8エンジンを積んだ2ドアクーペのみで、翌1974年から4ドアセダンが加わった。
1978年に登場した2代目以降は徐々にダウンサイズされ、FF化や2ドアクーペの廃止などの変遷を経て、2018年以降の6代目ではオペル・インシグニアをベースとする4ドアセダン/5ドアハッチバック/5ドアワゴンとなっていた。その6代目も2020年モデルをもって北米での販売を終了、リーガルの名は消えた。ただし、2000年代以降ビュイック最大の市場となっている中国では健在である。
[ガズー編集部]
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