【連載全18話】第3話 シボレー・モンテカルロ & ランチア・モンテカルロ…なぜか車名がかぶってる!“同名異車”のクルマ特集

世界でこれまで販売されてきたクルマを見ると、同じ名前のモデルがちらほら……。今回の特集では、そんな「メーカー・ブランドは違えど名前が同じクルマ」をピックアップ。週替わりで紹介します。

シボレー・モンテカルロ & ランチア・モンテカルロ

世界中のセレブリティーが集う、モナコ公国の中心となる市街地であるモンテカルロ。クルマ好きにはF1のモナコグランプリとラリーモンテカルロの開催地として知られるこの地名を先に冠したのは、シボレー・モンテカルロだった。

その名の持つ“ハイソなイメージ”にあやかった、シボレーブランドとしては初となる高級パーソナルクーペで、1970年に登場。インターミディエート(中間サイズ)のパーソナルクーペとして好評を博していたポンティアック・グランプリの兄弟車で、万人向けのシボレーらしく無難にまとめられていたが、シングルヘッドライトの採用は“復古調の流行”の先鞭(せんべん)をつけた。

全長5.2m超、全幅1.9m超のボディーに積まれるエンジンは5.7リッターV8が標準だが、望めば7.5リッターまで用意されていた。その後はコンセプトは不変のまま、4世代にわたって1988年までモデルは存続した。それから7年後の1995年にFFセダンであるルミナのクーペ版としてその名が復活したものの、2007年には再び姿を消した。

いっぽうランチアのモンテカルロは、本来はフィアットX1/9の上級版として企画・開発された、X1/20のコードネームを持つミドシップクーペ。最終的に、より上級でスポーティーなイメージのランチアブランドから、主力車種だったベータのバリエーションモデルとしてリリースされることとなり、1975年のジュネーブモーターショーでベータ モンテカルロを名乗ってデビュー。命名は同年のラリー・モンテカルロにおけるランチア・ストラトスの優勝にちなんでいた。ちなみに、欧文表記では地名が「Monte Carlo」であるのに対し、ランチアのモデル名は「Montecarlo」と一語になっている。

構造的にも出自が物語るようにフィアットX1/9の拡大版で、固定式ルーフとタルガトップの2種類が用意された2ドアクーペボディーに、最高出力120PSと控えめな2リッター直4 DOHCエンジンを横向きにミドシップ。1980年のマイナーチェンジでシリーズ2となるが、その際に車名からベータの名が消えてランチア・モンテカルロとなった。なお、前述したシボレーの同名モデルが存在するアメリカ市場では、スコーピオンと名乗った。

[ガズー編集部]

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