【連載全18話】第9話 リライアント・セイバー & ホンダ・セイバー…なぜか車名がかぶってる!“同名異車”のクルマ特集
世界でこれまで販売されてきたクルマを見ると、同じ名前のモデルがちらほら……。今回の特集では、そんな「メーカー・ブランドは違えど名前が同じクルマ」をピックアップ。週替わりで紹介します。
リライアント・セイバー & ホンダ・セイバー
英語で「軍刀、サーベル」を意味するセイバー(sabre/saber)を先に車名に冠したのは、1961年にデビューしたリライアント版。この連載の第5話に登場したリライアント・リーガルの項でも紹介した通り、同社は1930年代から三輪車をつくっていた英国の小規模メーカーである。
リライアントが最初に手がけた四輪車となるセイバーは、ラダーフレームにFRP製のオープン2座ボディーを架装し、英国フォード製1.7リッター直4 OHVエンジンを積んだスポーツカーだった。1962年にクーペを加えた後、いささかアクが強かった顔つきを、MGBにも似た、より一般的なものに変更。さらに英国フォード製2.6リッター直6 OHVエンジンを積んだセイバー6を追加したが、人気は芳しくなく、1964年には後継モデルのシミターにバトンタッチ。生産台数は285台にとどまった。
いっぽうホンダ版は、アッパーミドル級の4ドアハードトップ。“ハイソカーブーム”に乗って登場したアコード インスパイアの双子車だったビガーが、1995年のフルモデルチェンジに際してセイバーに改名したのだった。1989年の税制改正を受けて3ナンバーサイズ、それも全長4.8m超となったボディーの中身は先代(ビガー)から受け継いだもので、2リッターまたは2.5リッターの直5 SOHC 20バルブというユニークなエンジンを縦置きして前輪を駆動した。
1998年にはインスパイアと共に4年未満という短いサイクルで世代交代を迎えるが、新型は企画から生産まで一貫して米国ホンダで行われたモデルが輸入販売されることになった。4ドアハードトップから4ドアセダンとなったボディーのサイズは先代とほぼ同じだが、エンジンは直5からより一般的なV6に変わり、排気量も2.5リッター/3.2リッターに拡大された。2003年には再びフルモデルチェンジされるが、このときにインスパイアに統合され、セイバーの名は消滅した。
[ガズー編集部]
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