『クルマはトモダチ』ロードスター大幅改良。おすすめグレードはコレ!・・・山田弘樹連載コラム
みなさんゴキゲンよう!
新開発の電動パワステと、アシンメトリックLSDを得て走りが劇的に進化したNDロードスター。そのハンドリングには私も、「こりゃ、とうとう買わないとダメかッ!?」と思ったわけですが。
そのふたつの新機構については、前編の記事もご覧ください。
一方で、本当にこのふたつだけで、走りが激変したの?
とも感じました。
マツダ開発陣はタイヤも足周りも「変更ありません」との回答。ここでそれを追求するつもりも、まったくないんですが、にわかにはそれが信じられなかったんですね。
というのも試乗会当日は、改良前モデルとの比較試乗ができたんです。その中でも特に、「S Special Package(Sスぺ)」と乗り比べたときの差がすごかった。
折しも空は雨模様で、気温も低め。そこで前期型は、タイヤの接地感がかなり希薄でした。ウェット路面だと、「大人しく走っとこ」という感じ。
かたや後期型は、インフォメーションがとっても豊か。だからブレーキングのあと、自信を持ってステアリングを切って行けたんです。
それはほんと、ダンパーやブッシュが変わったかのような、上質なステアフィールだったのでした。
ちなみに、アシンメトリックLSDの付いていない「S」グレードにも乗りました。その印象も、かなり良かった。
操舵感は同じく抜群だし、正直ワインディングレベルだと「LSDなくてもいーじゃーん!」って感じ。
そこには「キネマティック・ポスチャー・コントロール」(KPC)の制御が効いていたんだと思います。
KPCはコーナリング時に内輪へブレーキを弱くかけて、リアのリフトを抑える制御。アシンメトリックLSDと、効果がリンクするんですね。
実際DSCをオフすると(KPCもオフになります)、コーナーでの吸い付き感が薄れました。そして下りカーブなどフロント荷重が高まる状況では、ちょっとリアの挙動がフワッとした。
そしてこういう状況で初めて「アシンメトリックLSDがあるといいんだな」とわかりました。でも普通に走る分には、KPCがあればいいかな。
残念だったのは、この「S」グレードの比較試乗車がなかったこと。
もしあれば、電動パワステの純粋比較ができたんですけどね。
つまり私の印象としては、今回最も大きかったのは電動パワステの進化です。もし足周りが若干でも変わってくれていたら、それを移植することで前期型のハンドリングも改善できたんだけどなぁ。
前回もお話した通り、電動パワステを初め電気系はアップデートできないんですよ。
後期型のダッシュボードには「DSC-TRACK」のボタンが。これでDSCオン/DSC-TRACK/DSCオフと、ドライバーは段階的に走りを磨いて行くことができるようになった。サーキットで試すべき制御だが、それをRSやNR-Aグレード以外にも標準装備したことにもマツダの熱い気持ちを感じる。
だから予算が許すなら、圧倒的に後期型。見た目に差はないけれど、中身は本当に大きく違います。
そしてお勧めは、「Sスペ」(6MT:308万7700円/6AT:320万3200円)。カービューの原稿でも書きましたが、「RS」の新車価格はちょっと高すぎ。
そして個人的には、今回は用意されていなかったけれど、断然「NR-A」。
エアコンはマニュアルだしマツダコネクトも付かない(※)けど、いまどきスマホがあれば十分です。代わりに車高調サスや1インチ大きなディスクローター、大容量ラジエター等々と、実は「RS」以上に走りの装備が充実。
※NR-Aにマツダコネクトが付かないという内容について、試乗会当日関係者と話した内容に間違いがありました。
当初はモニターだけNR-Aにも装着。理由は「コストの関係からモニターレスにするよりも安いしミラーリングもできるから」と伺っていたのですが、ナビもマツダコネクトも装着可能でした。
ごめんなさい!
リトラクタブルハードトップを閉じれば“小さなFRクーペ”になる「RF」も、今回の改良で走りの完成度を高めた。ただその変化幅は、オープンモデルの方が大きく感じた。RFは前軸重量が590kgと1.5モデルより40kg重たいから、普通に走らせても接地感が出ていたということか。
あー、新型ロードスター欲しい!
でもね、そこで思うワケですよ。「オレには赤パンがあるじゃないか!」って。仕事でロードスターに乗る度に欲しくなり、こうして毎回思いとどまるんです。
そして赤パンをガッツリ走らせると「やっぱコイツだわ~」となるんですよね。
工業製品は、進化と洗練を宿命付けられています。
だからロードスターも、後期型の方が良くなるのは当たり前のことです。むしろ車重が増えてしまったにもかかわらずその走りを進化させたのだから、開発陣エライ!
でも、その洗練に勝てるのが“愛着”なんですよね。
モータージャーナリストやメディアが何を言おうが、自分の前期型ロードスターが好きなら、それでいーんです。
ボクもまだまだ、赤パンで走り続けるぞ。
山田弘樹
自動車雑誌の編集に携わり、2007年よりフリーランスに転身。LOTUS CUPや、スーパー耐久にもスポット参戦するなど、走れるモータージャーナリスト。自称「プロのクルマ好き」として、普段の原稿で書けない本音を綴るコラム。
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