『クルマは最高のトモダチ』ハチロクといえば、ネオバ!?…山田弘樹連載コラム
みなさんゴキゲンよう!
遂に「ADVAN NEOVA AD09」を試乗することができましたッ!
“ネオバ”といえば、アドバンの看板ハイグリップタイヤ。最近は「A052」がヨコハマ最強のストリートラジアルみたいですが、であれば新型ネオバはどうなるの? と気になっていたわけです。
そしたらですよ。
ボクより先にレーシングフォトグラファーでありハチロク仲間である田村 弥(たむら・わたる)さんが、AD09を履いたというじゃ、あーりませんか。
もちろんその狙いは、筑波コース1000でのスポーツ走行を楽しむため。ハチロク仲間で集まって、ワイワイ走るタイムアタック用に選んだというのです。
というわけで田村さんには「筑波でオレにもアタックさせてよ!」なんてお願いしてたのですが。
彼も超多忙なので、これまたスケジュールが、まったく合いません。
「春(のタイムアタックシーズン)、終わっちゃったね」
「夏が終わったらだね」
「秋が来ちゃったね……」
「スーパーGT終わったらかね?」
まぁオトナですから、お仕事は最優先。ちなみに今年は私も、プライベートでは一度も筑波に行けてないんです。
しかしこの状況を気にかけてくれていた田村さんが、今回GENROQ誌の撮影のときに、ネオバを履いてきてくれたのでした!
クルマはボクが「世界一ハチロクらしいハチロク」と認めている、真っ白なスプリンタートレノ「SR」。
エスアール? 実はこれ、ボディが“ハチゴー”(AE85)なんです。
昔ハチロクは走り屋の「お代わりグルマ」でしたから、アチコチぶつかってたり、ボディがヘナヘナなのは当たり前でした。そこでより程度のよいボディが欲しい場合は、普通に使われていたハチゴーを探し、ハチロクのパーツを移植したんですよね。
田村さんのハチゴーもそんな風にして、「レビン&トレノマガジン」の企画で作られた一台でした。確か谷口(信輝)くんが最近手に入れたのも、ハチゴーでしたよね。
さてさてそんなこんなで、ワインディングで初試乗した最新の「ADVAN NEOVA AD09」ですが、これがとっても、元気印なタイヤでした。
タイヤサイズは195/50R15、内圧は2.1キロ。ハチゴーの車重が軽いせいもあるのですが(カメラ機材を積んだ状態でも1tちょい?)、タイヤがすごくガッチリしています。
だからハンドルを切ると、初期からバシッ! とグリップが立ち上がる。ハチゴーが車高調を装着しているせいもあるんですが、コーナリングスピードが高い。
というかワインディングレベルだと余裕たっぷりで、熱すら入りきってない印象でした。
今度のネオバは絶対性能よりライフを大切にしていると聞いていたし、もっとストリート寄りの穏やかな性格なのかと思っていました。でもこれ、きちんとネオバですよ。
ポテンザ RE71-RSがゴムの粘着力でグリップさせるタイプだとしたら、ネオバは荷重でゴムを押しつけて、グリップ力を高める、極めてヨコハマらしいタイヤ。
だから低荷重領域だとコンタクトフィールはサラッとしてて、RE71-RSと比べると、ちょっと硬めに感じます。
両方とも剛性感は高いんだけど、RE-71RSにはゴムの厚みを感じる。そしてネオバ AD09は、構造の強さという感じ。
私はオッサンなので、普段使いをするならもう少し乗り心地がしなやかな方がいいなぁ……と思いましたが、それだとサーキットでは剛性が足りないよな。
あとハチロクは軽すぎるから、もう少し空気圧を抜いてもよかったかも。もしくは車重が重たくて車体剛性が高い現代のクルマなら、普段から履いてもマッチングがいいかもしれません。
ただ硬派なユーザーなら、「このシッカリ感いいネ!」と感じる人は結構いると思う。
そして新型ネオバ、減りにくいんじゃないかと思います。
センターリブのエッジがすぐになくなっちゃうとか、ブロック飛びとかしなさそう。実際開発陣も、一発のタイムより耐久性にこだわって作ったようですし、サーキットでも沢山練習できるんじゃないかなぁ?
となるとやっぱり、サーキットで走らせてみたいですよね。
試乗記事を見ると一発のタイムはRE-71RSに譲るけど、コントロール性が良くて平均タイムがいいみたい。
逆に一発でタイムが出せないアマチュアなら、ネオバの方がタイムを出しやすいかもしれないですね。
ともあれ、スポーツラジアルにひとつまた選択肢が増えたのはとってもいいことです。
モータースポーツシーズンが終わると、アマチュアのタイムアタックシーズンが始まります。
12月に入ったら、今度こそハチロク仲間と筑波1000を走りたいな!
今回はお仕事モードなので、トランクルームには撮影用機材がぎっしり。水とオイルがあるのも、ハチロク乗りのお約束。普段はP10プリメーラをメインに使っているけど、たまにハチゴーでやってきて愛車とのカーライフを楽しんでいる田村カメラマンでした。
(テキスト:山田弘樹)
自動車雑誌の編集に携わり、2007年よりフリーランスに転身。LOTUS CUPや、スーパー耐久にもスポット参戦するなど、走れるモータージャーナリスト。自称「プロのクルマ好き」として、普段の原稿で書けない本音を綴るコラム。
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